カメラのイメージセンサーサイズはフルサイズやAPS-Cサイズと表示するのが一般的ですよね。
- フルサイズ
- APS-Cサイズ
- フォーサーズ
- 1インチサイズ などなど
イメージセンサーサイズについてはこちらをお読みください→イメージセンサー大きさ比較 フルサイズ・APS-C・フォーサーズ・1インチ、どれだけ写りが違うの?
ですが、ニコンは他のカメラメーカーとは違い表記が独自なんです。例えば他社でいうフルサイズは「FXフォーマット」とよびAPS-Cサイズを「DXフォーマット」とよびます。
ということで今回はニコンのイメージセンサーサイズを表す表記、〇〇フォーマットについて詳しく書いてみたいと思います。
ニコンの3種類あるフォーマットのサイズ比較
3種類あるイメージセンサーの大きな順に並べると・・・
- FXフォーマット(フルサイズ)
- DXフォーマット(APS-Cサイズ)
- CXフォーマット(1インチサイズ)※現在すべて旧製品あつかい
FXフォーマットには一眼レフフラグシップ機ニコンD5をはじめ、高画素機D850やミラーレスカメラZ7およびZ6が採用されています。
DXフォーマットはプロ仕様一眼レフニコンD500からエントリー向け(入門機)D3500まで幅広く採用されています。
CXフォーマットは主にコンパクトなミラーレスカメラNikon 1(ニコンワン)に採用されていたフォーマットですが、2015年4月に販売されたNikon 1 J5を最後に現在はすべての機種が旧製品となっています。
イメージセンサーサイズを図で比較してみるとこんな感じ。

高感度撮影ではノイズがつきものですが、イメージセンサーの面積が広いと光を受け止める範囲が広いということなので、FXフォーマットはISO感度をガツンと上げても他のフォーマットに比べてノイズがのりづらいのが特徴。
高感度ノイズに強いのが大きなイメージセンサーの最大のメリット
面積比でFXフォーマットを1とすると…
- FXフォーマット:1
- DXフォーマット:0.42
- CXフォーマット:0.13
FXフォーマットはDXフォーマットの2.35倍、CXフォーマットでは7.4倍大きいことになります。
ニコン イメージセンサー別 カメラ一覧 2019年1月時点
FXフォーマット(フルサイズ)
DXフォーマット(APS-Cサイズ)
CXフォーマット(1インチサイズ)※すべて旧製品
※リンクはすべてニコン公式サイトです。
センサーサイズが違うと画角も違う!
イメージセンサーのサイズが違うので同じ焦点距離のレンズを使ったとしても実際に撮れる画角は違います。
同じ焦点距離のレンズを使ってもカメラ側のセンサーサイズが異なると撮影できる範囲(画角)が変わってくるということです。
次の図を見てみてください。

これは焦点距離24mmで撮影した写真です。
それぞれのフォーマットが写し出す範囲を見てみると、イメージサークルが小さくなれば小さいほど画角が狭くなります。
単純なんですがイメージセンサーが小さくなることで中心部分を切り取る(クロップ)ので、同じ焦点距離のレンズを使ってもイメージセンサーサイズが異なると撮影できる範囲が変化するということです。
画角の変化はフルサイズ換算で求める
この画角の変化は計算式で出すことができます。よく耳にする『フルサイズ換算』ってやつですね。
焦点距離24mmのレンズをDXフォーマットで使用すると約42mm相当の画角になります。
DX:24mm×1.5=42mm
DXフォーマットの場合は焦点距離に1.5をかけることでフルサイズ換算の画角を算出することができます。CXフォーマットでは2.7をかけてあげます。
CX:24mm×2.7=64.8mm
よく標準レンズは焦点距離50mmと言われていますがこれはフルサイズに限った話で、DXフォーマットでの標準の焦点距離は35mmになります。CXフォーマットでは18.5mmですね。
同じ焦点距離のレンズでもイメージセンサーサイズが小さくなれば小さくなるほど、撮影できる範囲が中央寄りにクロップされるので、望遠側にシフトされているということです。
異なるフォーマット同士でのレンズは使用できる?
カメラにFXフォーマットやDXフォーマットがあるようにレンズにもそれぞれのフォーマットに最適されたレンズがあります。
「FXフォーマット対応」や「DXフォーマット専用」といったものです。
DXフォーマットのカメラにFXフォーマット対応レンズが使えるのか? その反対にFXフォーマットのカメラにDXフォーマット専用レンズが使えるのか? というお話をしてみます。

FXフォーマットのカメラにDXフォーマット専用レンズは使えない
FXフォーマットのカメラにはDXフォーマット専用のレンズは使えないと思ってください。
理由はDXフォーマット専用レンズはDXフォーマットのセンサーに合わせてイメージセンサーが小さく作られているからです。
イメージサークルとは「光が結像する円の範囲」のことで簡単にいうと絵が映し出せる範囲であります。
DXフォーマット専用レンズはこのイメージサークルの大きさがDXフォーマットのイメージセンサーサイズに合わせて作られているので、ひと回り大きなFXフォーマットカメラでDXレンズを使用すると写真の四隅にケラレ(影)が作りこんでしまいます。

DXフォーマット“専用”レンズなので基本的にはFXフォーマットのカメラでは使えないという解釈でOKです。
厳密には使えないことはないですが、使う場合にはケラレが入らないところまでクロップして撮影するので結果的に画素数を落としFXフォーマットカメラ本来の性能を活かすことができないので、緊急用といった用途でしか使いません。
DXフォーマットのカメラにFXフォーマット対応レンズは普通に使える
それでは反対にDXフォーマットのカメラにFXフォーマット対応レンズが使えるのかどうかですが、これは普通に使えます。というかよくやる組み合わせです。
FXフォーマットに対応したレンズは大きなイメージセンサーに合わせてイメージサークルを大きくとっているので、センサーサイズが小さなDXフォーマットでも問題なく撮影することができます。
気をつけるべき点は先ほどもお話ししましたが、レンズ表記の焦点距離よりも1.5倍望遠側の画角になる点です。

イメージサークルの中心部を切り取る(クロップ)ので写る範囲は望遠側にシフトされます。
焦点距離400mmの望遠レンズをDXフォーマットカメラで使用すると400mmに1.5倍で600mm相当の画角になるということです。
DXフォーマット専用レンズとFXフォーマット対応レンズの大きな違いは写る範囲「イメージサークル」の範囲です。
DXフォーマット専用レンズはイメージサークルを小さくすることでレンズ本体が小型軽量にできかつ安価に製造できる利点があります。
逆にFXフォーマット対応はイメージサークルを大きくする必要があるのでレンズが大きく重くなり製造コストもかかってきてしまいます。
CXフォーマットでFマウントレンズを使うにはアダプターが必要
FXフォーマットとDXフォーマット同士は同じニコンFマウントなので制約なく使用することができます。
CXフォーマットカメラはFマウントではくマウントの形状が異なるニコン1マウントなので、FXフォーマットやDXフォーマットのレンズを使うにはカメラとレンズの間に「FT1」というマウントアダプターを挟んで使用します。
ニコンイメージセンサーサイズ表記のまとめ
というのとでニコンの各種フォーマットのお話でした。
- FXフォーマット(フルサイズ)
- DXフォーマット(APS-Cサイズ)
- CXフォーマット(1インチサイズ)※現在すべて旧製品あつかい
- イメージセンサーの大きほど高感度に強い
- フォーマットによって同じ焦点距離でも画角が違う。
- FXカメラにDXレンズは使用できない
- 逆にDXカメラにFXレンズは使える
