薄型ボディでコンパクト、そしてフルサイズセンサー搭載で妥協のない写りが魅力のニコンフルサイズミラーレス『Z7 & Z6』
僕はニコン一眼レフカメラD750ユーザーであり、中でもスペック的によく似たニコンZ6にとても興味を惹かれております。
ですが、ただの物欲だけで一眼レフユーザーがミラーレス機に手を出すのは気をつけないといけません。
なぜなら、一眼レフカメラとミラーレスカメラは根本的な仕組みが異なるカメラなので、ファインダーの仕様だったりバッテリーの持ちが思ったより悪かったりなどなど「あれれ、思ったのと違うな」と買ったあとで後悔するハメになります。
ということで、デジタル一眼レフユーザーである僕がニコンZ6に買い換える前に『あらためて考えて欲しい4つのポイント』をまとめてみました。
あくまで僕個人の見解なのと、ニコンZ6は決してダメなカメラではないのでその辺りご理解の上お読み下さい。
1.ミラーレス特有の電子ビューファインダーに慣れが必要
一眼レフカメラからの買い替えで1番の違いは『ファインダーの見え方』です。
このファインダーの見え方しだいでミラーレスの好き嫌いが決まるほど、とても重要なポイントとなります。
- 一眼レフカメラ…「光学ファインダー」
- ミラーレスカメラ…「電子ビューファインダー」
一眼レフカメラ 光学ファインダー | ミラーレスカメラ 電子ビューファインダー |
簡単な内部構造を図にしてみました。
両カメラのファインダーの仕組みが違いまして、一眼レフカメラのファインダーは鏡を合わせて結像させた実際の画ですが、ミラーレスのファインダーは液晶画面越しの画になります。
イメージ的には一眼レフカメラの光学ファインダーは『オペラグラスでスポーツ観戦』で、ミラーレスカメラの電子ビューファインダーは『テレビ中継でスポーツ観戦』といった感じでしょうか。
光学ファインダーは現実世界を鏡越しで見た世界なので、誰が見ても違和感を感じることがないファインダーとなっています。あくまで現実世界なので。
これがミラーレスカメラの電子ビューファインダーになると、1枚映像処理を挟む液晶画面越しのファインダーになるので、どうしてもタイムラグ(遅延)を感じてしまいます。
昔にくらべると電子ビューファインダーの技術は進歩して見やすくはなっていますが、光学ファインダーと比較してほんのミリ秒ぐらいでタイムラグを感じます。
だって、光学ファインダーは『光のスピード』で結像するので、一旦処理を挟む電子ビューファインダーがこの光の速度に勝てるわけありません。
ということで、光学ファインダーに慣れてしまった一眼レフカメラユーザーは、この電子ビューファインダーの良しとするかどうかがとても重要なパートだと言えます。
https://hechima-papa.com/2018-03-21-mirror-less/
2.ミラーレスは一眼レフにくらべて電池持ちが悪い
ミラーレスカメラは電力を必要とする電子ビューファインダーや背面液晶画面を使って撮影するので、一眼レフカメラよりも電池が消耗しやすいカメラです。
一眼レフカメラは鏡を合わせただけの光学ファインダーなのでほとんど電力を必要としません。
ミラーレスのニコンZ6と一眼レフであるニコンD750の電池1個あたりの撮影枚数を比較してみると。
ニコンZ6 | ニコンD750 | |
撮影可能枚数 | 約310コマ | 約1230コマ |
圧倒的トリプルスコアで一眼れカメラのD750の方が電池持ちが良いことがわかります。
Z6に合せて登場した新しいバッテリーEN-EL15bでは、カメラ本体のUSBを差し込んで給電ができるなど工夫が施されているようですが、長旅での撮影ではバッテリー2個や3個で足りない場面が出てくるかもしれません。
最近のミラーレスカメラは省エネ設計になってきはいるものの、バッテリー持ちはまだ一眼レフには及びません。
3.最速秒間12コマだがAF/AE追従は秒間5.5コマ
ニコンZ6の仕様では『最速12コマ/秒』となっておりますがこれには条件がございまして、写真の明るさを決める測光(AE)は最初の1コマ目のまま固定での秒間最速12コマという仕様となってます。
実際にはAF追従及びAE追従も可能な連射は最速5.5/秒です。
どういうことかと言いますと、シャッターボタンを押した時の露出設定(AE)のまま固定で12コマ連射なので、フォーカスは追いかけられるが明るさが変化するシーンでの連射では、最後のコマで大きく露出を外してしまう可能性があるということです。
ニコンZ6の実際のAF/AEを1枚ずつ追従させられる連続撮影は最速5.5コマ/秒なので表面上のスペックを鵜呑みにしてはいけません。
ライバル機であるソニーα7IIIはAF/AE追従10コマ/秒を可能としているので、ニコンにはもう少し頑張って欲しかったところ。
ちなみにですが、ニコンのカメララインナップの連続撮影一覧を速い順で見てみると
- ニコンD5…約12コマ/秒
- ニコンD500…約10コマ/秒
- ニコンD7500…約8コマ/秒
- ニコンD850…約7コマ/秒(カメラ単体)
- ニコンD750…約6.5コマ/秒
- ニコンD610…約6コマ/秒
- ニコンZ7 Z6…約5.5コマ/秒
- ニコンD5600 D3500…約5コマ/秒
AF/AE追従での高速連写を見てみるとニコンZシリーズは遅い部類となります。
なので連射目的で『最高12コマ/秒』という数字だけでスペックを決めつけてしまうのは注意が必要です。
4.Zマウントはレンズがまだ揃っていない
2018年12月現在、ニコンZマウント用のレンズのラインナップはまだまだ出そろっておりません。
ズームレンズ1本に35mmと50mmの単焦点レンズ2本の計3本しかありません。
一眼レフ用のFマウントレンズも使えるようになる「マウントアダプターFTZ」があれば今あるFマウントレンズ資産が活かせるのですが、Z6のポテンシャルを最大に引き出すのはZマウント専用レンズがあってのこと。
マウントアダプターを使うとどうしてもレンズの長さが出てしまうので、カメラボディが軽いミラーレスとのバランスが前のめりになり悪くなってしまいます。
Z6にはやはりZマウントレンズが欲しいところですね。
ニコン公式サイトには今後のロードマップを発表しておりますが、出そろうのに時間がかかりそうな印象。
「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」とかいうバケモノレンズが控えているのがとても期待できますが、Zマウントレンズはまだまだこれからって感じですね。
さいごに、一眼レフユーザーが考えるニコンZ6のまとめ
Nikon ミラーレス一眼 ニコン Z6 24-70 レンズキット NIKKOR Z 24-70mm f/4S付属 Z6LK24-70
一眼レフユーザーがミラーレスカメラニコンZ6に買い換える前に知って欲しい「懸念材料」をまとめてみました。
- 電子ビューファインダーに慣れが必要
- 「約12コマ/秒」は条件付き
- Zマウントレンズが出揃っていない
- バッテリーの持ちが一眼レフにくらべて悪い
以上の点がニコンZ6の気になる点であります。
あくまで一眼レフユーザーである僕がZ6の購入を考えた場合の懸念材料ということをご了承ください。
この他にも、メモリーカードがXQDカード1枚しか貼らなかったり、純正バッテリーグリップが準備されていないなど、不満点があるようですが僕的にはその辺りはそこまで気にしておりませんね。
実際にシングルスロットのニコンD5600もバリバリ使っておりますし、D750はSDカード2枚入るけど1枚で運用しています。プロでもない限りアマチュアの僕はシングルスロットで十分なんです。
あと懸念材料ではないですが、Z6の価格がまだこなれていないのも手が出しづらい感があります。
今手元にある一眼レフカメラを売っぱらってまでミラーレスを手に入れるのにはリスクがありすぎるので、本当は買い増しできたらベストなんですけどね。
レビューがてらにポンッと実機が帰るお金があればいいのですが・・・。