いざシャッターボタンを押して撮影! って時に「オートフォーカスが動かない?」「何度やってもピントが合わない」ということがまれにあります。
「壊れてる?」と思ったものも、自分の知らないあいだに設定が変わっていたりスイッチに触れてしまったりと、気づかないところでおかしな設定になってしまうんですよね。
一眼レフカメラというのはとても複雑で原因の追求が難しい道具です。
ということで、今回はシャッターボタンを押して「あれ? なんでフォーカスが動かないの?」ってトラブルが起きた時にまずチェックすべきポイントを解説していきます。
シャッターボタン半押ししてもオートフォーカスが動かない
シャッターボタンを押してもオートフォーカスが動かない場合で考えられる原因は3つ。
- カメラ側のオートフォーカスがOFFになっている
- レンズ側のオートフォーカスがOFFになっている
- シャッター半押しAFがオフになっている(親指AF設定)
- 沈胴式レンズで収納状態になっている
上記の4つが考えられます。
ということでひとつずつ原因をつぶていきましょう。
①カメラ側のオートフォーカスがOFFになっている
まず確認するべきところ、カメラ側のオートフォーカスがONになっているかを見てみましょう。
写真のカメラはNikon デジタル一眼レフカメラ D750
ニコンの一眼レフはカメラマウントの近くに「オートフォーカス切り替えスイッチ」があります。このスイッチが『AF』になっているか確認してみてください。
↓ここが『AF』になっていてもオートフォーカスが動かない場合↓
『AFになっている』またはD5000シリーズD3000シリーズはこのAF切り替えスイッチが無いので、次にレンズ側のオートフォーカススイッチを見てみます。
③レンズ側のオートフォーカススイッチがOFFになっている
レンズによってはオートフォーカススイッチがあるので、ここのスイッチがマニュアルフォーカスの『M』になっていないか確認しましょう。
ニコンのオートフォーカスは『M/A』や『A/M』というような表記になっており、これはオートフォーカス中でもピントリングを回すとマニュアルでピントを微調整することができるというモードです。
- 『M/A』オートフォーカス中でもピントリングを回してマニュアルで調整ができるモード
- 『A/M』マニュアルでピントを調整できるが、M/Aにくらべてマニュアルに切り替わる感度を下げている。不意に切り替わることを防止したモード
- 『A』ピントリングを回してもピントが動かないモード
詳しくは公式サイトを見てみよう→ニコンのオートフォーカスモード|ニコン公式サイト
レンズによってはオートフォーカス切り替えスイッチが無いレンズもあります。ニコンD5600レンズキットの組み合わせだと、カメラもレンズもフォーカス切り替えスイッチが存在しません。
カメラ&レンズともにオートフォーカスONになっている、またはカメラレンズにスイッチが無い場合。それでもまだオートフォーカスが動かなければ次に確認する点は『AEロックボタンにAF-ON』が設定されている可能性です。
③AEロックボタンに「AF-ON」が設定されているか確認
AEロックボタンの設定を確認してみます。このAEロックボタンに「AF-ON」が設定されていると、「シャッター半押しAF」が無効になってしまうので、「AF-ON」になっていたら解除します。
「鉛筆マーク」→「f操作」→「AE/AFロックボタンの機能」
今回の内容とは少し脱線してしまいますが、シャッター半押しAFをわざと無効にしてシャッターボタンとオートフォーカスを切り離し、右手親指に最も近いこのボタン「AE/AFロックボタン」に「AF-ON」を仕込んで撮影する『親指AF』というテクニックがあります。
この『親指AF』に設定することで、「シングルAFサーボ」「コンティニュアンスAFサーボ」「マニュアルフォーカス」が切り替えなしで撮影することができます。
- 親指AFでピントを合わせる、親指をボタンから離してシャッター「シングルAFサーボ」
- 親指AFでピントを追いかけ続けてシャッター「コンティニュアンスAFサーボ」
- 何も押さずにシャッター「マニュアルフォーカス」
慣れると結構便利な機能なので、興味がある方はこちらのページで詳しく書いております。
④沈胴式レンズで収納状態になっている
沈胴式レンズとは撮影しない時にレンズの全長を短く収納することができるレンズのことで、撮影するときはボタンを押してズームリングを回すなどして撮影可能状態にする必要があります。
レンズが収納状態(短い状態)ではピント合わせはおろかシャッターをきることすらできません。その状態でファインダーをのぞいてもボケボケで何も見えません。
必ずレンズが撮影可能の状態かどうか確認してみましょう。
オートフォーカスは動くけどピントが合わない場合
次にオートフォーカスは動いているのだけれど、どうしても被写体にピントが合わない時の場合です。
この原因で考えられる点は3つ。
- 最短撮影距離よりも近い距離で撮影をしている
- ファインダーの視度調節が自分の視力に合っていない
- レンズの光軸ズレ、カメラAFの不具合
①最短撮影距離よりも近い距離で撮影をしている
レンズの仕様上「最短撮影距離」というのがありまして、これよりも被写体に近づくとピントが合わせられなくなります。
たとえばD5600やD3500のレンズキットに付属しているこちらのズームレンズ。
ニコン公式サイトに記載されているレンズスペックを見てみると・・・。
最短撮影距離はどこの距離なのかというと、イメージセンサー(撮像素子)からの距離のことです。
必ずカメラの外観にイメージセンサーがどの位置にあるのかがわかる印がついてあります。
この印からレンズの最短撮影距離より被写体が近くなってしまうとピントが合わせられなくなってします。
もし、接近した被写体のピントが合わせられないというなら少し距離を取ればピントが合わせられるようになります。
もっと近づきたい時はマクロレンズを使って撮影をする
最短撮影距離のお話ついでにマクロレンズのお話も。
極端に距離が近いものを撮影するにはマクロレンズという、接写専用のレンズを使って撮影をします。
よく見かける昆虫の写真や花の雌しべのクローズアップ写真などは、この接写専用のマクロレンズを使っています。
商品のブツ撮りも結構近づく必要なあるんですよね。こういう撮影もマクロレンズがあれば捗ります。
②ファインダーの視度調整が自分の視力になっていない
ファインダーの中にもレンズが何枚か入っていて、人それぞれの視力に合わせられるように「視度調節ダイヤル」がファインダーの横にあります。この視度調整が狂ってしまうとファインダー内がボケてしまうので、自分の視力に合わせて視度調整をしなくてなりません。
視度調整の仕方は非常に簡単。ファインダーを覗きながら視度調節のダイヤルをゆっくり回して、ファインダー内に下に表示されている数字等が“くっきり・ハッキリ”と見えるポイントが自分に視力に合っているところです。
ファインダーが汚れているならクリーニング
視度調整ダイヤルを回してもファインダー内がくっきりハッキリしない場合は、ファインダーの接眼部が汚れていないか見てみてください。ファインダーはまつ毛が当たりやすいので意外と汚れやすいんですよね。汚れていたらササっと拭いて掃除しましょう。
ファインダーのクリーニングにはハクバのレンズペンがオススメです。
③レンズかカメラの故障を疑う
ここまできたらレンズかカメラの故障を疑いましょう。
接触不良が原因でオートフォーカスが動かないこともあるので、一度カメラとレンズの接点を綿棒で軽く拭いてみてみます。案外これで治ることもあります。
これでもオートフォーカスが動かなければ、レンズかカメラどちらかの故障が疑われるのでメーカーへ見てもらった方がいいかもしれません。
インターネットとの申し込みは24時間可能でニコンピックアップサービス(有料)という梱包材のお届け・返送サービスもあるので簡単に修理を依頼することもできます。
オートフォーカスが動かない時の対処法 まとめ
ニコン一眼レフカメラでオートフォーカスが動かない時の対処法のまとめ
- カメラ側でAFがOFFになっている
- レンズ側でAFがOFFになっている
- AEロックボタンにAF-ONが設定されている
- 沈胴式レンズで収納状態になっている
- 撮影最短距離より近づきすぎている
- 視度調整が合っていない
オートフォーカスが動かない原因として以上のことが考えられますが、これでも解決しない場合はメーカーで見てもらう必要があります。