RAWで撮るかJPEGで撮るか、正解がどっちか分からないというあなた。
「RAWファイルは容量が多い分、データがたくさん含んでいるのでキレイな写真が撮れるんだよな!」というような勘違いしてません?
もしくは「JPEGは後で調整ができないから不安で使えない」などなど。
結論から申し上げますと、RAWは容量デカイからといって画質がキレイだということはありません。
そしてJPEGでも少しぐらいなら調整(レタッチ)はできます。
ということで『RAW現像』と『JPEG撮って出し』について、メリット&デメリットを解説していき、それぞれ用途と役割を紹介していきます。
JPEG撮って出しとRAW現像ってどっちがキレイに写真が撮れるの?
JPEG撮って出しとRAW現像、どっちがキレイに写真が撮れますか? という疑問。「どっちがキレイに撮れるか」と聞かれると答えは『JEPG撮って出し』です。
その理由はRAWとは素材であり現像を前提としたファイルで、JPEGはすでに完成されたファイルだからです。
ちなみに現像ってデータを写真者さんに持っていくってことではないですからね! パソコンの現像ソフトを使って調整してJPEGファイルにすることをこのページでは『現像』って言ってます。
一見、1枚あたりの容量が大きなRAWファイルの方が情報量も多く含まれていいそうで、キレイな写真が撮れそうな雰囲気がありそうなんですが、それは間違った知識です
- RAW(14ビット記録)約26.3MB
- JPEG(NORMAL Lサイズ)約6.8MB
ニコンD5600 2416万画素 仕様
RAWファイルとJPEGファイルを比較してみてもその容量の差は倍以上あるので、容量が大きなRAWに設定すればキレイな写真が撮れるというような間違った認識になってしまうんですよね。
では、なんでRAWはこんなにもJPEGとくらべて容量が大きいのか。
それは先ほども書きましたが、RAWは撮影後の現像を想定したファイルでなので現像の調整がきく“のりしろ”を含んでおりRAWファイルはJPEGファイルよりも容量が大きくなってるんです。
RAWは素材、JPEGは完成品
- RAW撮影:カメラで撮影 → RAWファイルをレタッチソフトで現像 → JEPGファイルに変換して完成
- JPEG撮影:カメラで撮影 → 撮った瞬間にJEPGファイルが作られて完成
RAWファイルは撮影後に現像を前提とした素材であり、対してJPEGファイルは撮影した瞬間にカメラ内で現像されたファイルで完成品です。
- RAWファイル = 現像を前提とした素材
- JPEGファイル = すでに現像された完成品
RAWファイルは現像する前のファイルなので、写真の色も地味で高感度ノイズも除去前でザラザラ。レンズの湾曲や周辺減光も修正される前の素材です。
JPEGファイルはカメラの中で現像済みファイルで、色味も足され高感度ノイズも除去。その他もろもろ修正された完成品です。
このRAWとJPEGをたとえるなら、スーパーで食材を1から選んで買って自分で料理をするのがRAWファイルで、コンビニで完成されたお弁当を買って食べるのがJPEGファイルという感じ。
- 大変だけど食材を買って自分で料理するのがRAW現像
- 手軽に好きなお弁当買って食すのがJPEG撮って出し
で、RAWよりJPEGがキレイに撮れるという話に戻りますが、RAWファイルというのは調理をする前なの材料なのでそのままだと食べれないですよね。ちゃんと調理(現像)することでやっと食卓に並べられる料理になります。
対してJPEGファイルはコンビニに並んでいるような完成されたお弁当なのでそのまま食べられます。
- RAWファイルは現像前の素材なので完成品ではない
- JPEGファイルは現像済みなので色が鮮やかでノイズが除去されてキレイな写真に仕上がっている
RAWファイルとJPEGファイルの違いというのは、素材と完成品という違いなのでどっちがキレイな写真がと問われると「完成品であるJPEGファイルの方がキレイ」ということになります。
JPEGファイルの方がキレイという理由に“完成品だから”という結論ですが、RAWファイルは調理前の素材なので、現像ソフトを使えば自分好みの料理に仕上げることができるので、JPEGを上回る写真に仕上げることができます。
RAWファイルのメリットは何と言っても現像
先ほども書いたようにRAWファイルは素材そのものなのでLightroom等レタッチソフトを使えば自分好みの写真に仕上げることができます。
JPEGファイルとくらべてRAWファイルは調整ののりしろ分を多く含んでいるので、ホワイトバランスをいじって寒色系や暖色系にしたり、暗く影になってしまった被写体を明るくとか空をもっと青くしたりなどなど、細かく調整できるのが利点です。
RAW現像では失敗した写真が復活する
暗くなりすぎてしまったクリスマスツリーですがRAWファイルには暗くなった部分のデータもしっかり残っていたので、現像ソフトで調節して実際に見たクリスマスツリーを再現することができました。
JPEGファイルにはここまでデータが残っておらずRAWファイルほど懐に余裕がないので、失敗が許されない大切な撮影では保険としてRAWファイルで撮影しておけば、のちの現像で助かることもあります。
RAWファイルは容量がデカイのでパソコンスペックを要する
RAW現像の最大のデメリットはそのファイル自体のデカさです。
- RAW(14ビット記録)約26.3MB
- JPEG(NORMAL Lサイズ)約6.8MB
ニコンD5600 2416万画素 仕様
RAWファイルとJEGファイルは倍以上違います。その分、SDカードやパソコンのハードディズクを圧迫するので管理が大変。
ファイルがデカイのでLightroomのプレビューも重くなります。それなりのパソコンスペックが必要になります。
あとは、RAWファイルは「素材」なのでそのままだとSNSにシェアしたりプリントすることができません。
RAWファイルは最終的にJPEGファイルに現像しないといけないので、現像の手間がかかります。
旅行先で撮影した写真がすべてRAWファイルで撮ってしまうと1枚1枚ソフト使って調整してノイズ消して現像しなくてはいけないので、RAWで撮影するときはここぞというときだけにしておきましょう。
- 自分好みに写真を仕上げられる
- 失敗した写真を復活できる
- 容量が大きいので扱いが大変
- 現像の手間がかかる
気軽に撮影できるのがJPEG撮って出しのメリット
JPEG撮って出しは先ほどの料理のたとえのように“コンビニでお弁当買ってすぐに食べられる”ような便利さがあるのが最大のメリット。
高感度ノイズやレンズの歪みも調整され、カメラ内になる「ポートレイトモード」「風景モード」といったような設定をしておけばそのシーンに合わせた色味を自動で調整してくれます。
1枚1枚のファイル容量が軽いのもJPEGの良いところで、シャッターを連写した時の連続撮影枚数を伸ばすこともできます。
- 撮ったその場でシェアができる!
- 1枚の容量が小さいので管理がラク!
JPEGもレタッチできないことはないがRAWよりも調整できる幅が狭い
JPEGファイルもレタッチソフトLightroomの中ではRAWファイルと同じように扱えますが調整できる幅が限られています。
- ホワイトバランスの調整ができない
- ハイライト、シャドウが潰れている
といったように、RAWファイルよりも調整の自由度が少なくなってしまうのがJPEGのデメリットであります。
完成されたお弁当も醤油をちょこっとたす程度の味の変化はできますが、同じ食材を使っていてもギョーザからシューマイに変えることなんてできませんよね。
JEPGはすでに完成された写真なので、少しだけ明るくするといった微調整はできるけどホワイトバランスをいじったりガッツリ暗部を持ち上げるといったレタッチができなくなります。
- 完成品なので撮ったその場でシェアができる
- データが軽いのでSDカードやPCの容量を食わない
- ガッツリレタッチには向かない
RAWとJPEGは優劣をつけるものではなく、それぞれ用途が違うもの
撮影後に作品としてLightroom等のレタッチソフトで仕上げるのに最適なRAWファイルと、撮ってすぐに完成形として出てくるJPEGファイル。
それぞれのファイルは「どちらがキレイ?」とかそういう優劣をつけるものではなく、それぞれ用途に合わせて使い分けるものです。
普段は子どもしか撮らない僕ですが、JPEGのみで撮影をしています。理由はデータが軽くて扱いやすいからに限ります。
撮影枚数が多くなると現像も面倒くさくなります。
RAWで撮影するときはほとんど無く、ここぞという時にしか使いません。露出でミスが許されないシーンや、露出の設定が難しい時ですね。
逆光では被写体が影になりやすいのでRAWで撮っておくと、あとで影になって暗くなったところを持ち上げればなんとかなったりします。
そんな時にしかRAWは使いません。
カメラ本体のボタンカスタムができるのなら、ワンタッチでRAW撮影ができるように設定しておけば便利ですよ。
意外とJPEFファイルも少しぐらいなら明るさ調整できるので、JPEGでも事足りるんですよね。
正直なところ連射しても息切れしないフラッグシップ機と、処理速度抜群なパソコンがあれば思う存分RAW現像したいけど金銭的にそうはいきませんからね。
- 基本的にJPEG撮って出しで事足りる
- JPEGもちょっとした明るさ程度なら調整できる
- 露出やホワイトバランスに不安があればRAWで保険
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