どうも、カメラ大好き人間、へちま(@hechima_papa)です。
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを手にしてウキウキ気分をそのままに、いざ撮影をはじめてみると…。 あれれ? どれもパッとしない写真ばかり!
『一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを使えばキレイ撮れると思っていた!』
そんな経験ありませんか?
最近のカメラはどれも優秀で、フルオート設定でも大きな失敗をすることはありません。
ですが、フルオートっていうのは「見たまま」を写真にするのでどうしても撮影者が頭に思い浮かべるイメージとは少しズレた結果となってしまいます。
背景をぼかしてふんわりした写真や、
夕焼けを“ちゃんと夕焼けの色”で撮る方法。
夜のイルミネーションや花火を撮ったりなどなど…。
こういった写真を撮ろうとしてもどうしてもフルオートでは思い通りにいってくれません。
- ボケをあやつる方法
- 明るさの設定
- 色をコントロール
最低限この3つだけを覚えれば難しい一眼レフカメラもミラーレス一眼カメラも、思い通りに使えこなせちゃいます。
まずはカメラまかせの「フルオート」から卒業して、本記事で紹介する3つのポイントをマスターすればイメージ通りの写真を撮影することができるでしょう。
フルオートからの卒業「絞り優先オート」のススメ
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラには「撮影モード」と呼ばれる露出(写真の明るさ)をカメラに全部まかせるか、もしくは自分で設定するか決めるところがあります。
撮影モードをフルオートにすると、絞り・シャッタースピード・ISO感度など撮影に関するすべての設定をカメラが自動的にやってくれます。
まずは、撮影モードを「絞り優先オート(A)」にダイヤルを合わせてみましょう。
「絞り優先オート」とは「絞り」を自分で設定してシャッタースピードをカメラにまかせる設定でございます。
そのほかの撮影モードはこんな感じ
撮影モード | 絞り | シャッタースピード |
P(プログラムオート) | オート | オート |
A(絞り優先オート) | マニュアル | オート |
S(シャッター優先オート) | オート | マニュアル |
キヤノンでは絞り優先オートを「Av」、シャッター優先オートを「Tv」と表記しております。
ではなぜ「絞り優先オート」をおすすめするのか?
それは、このあとで登場する「ボケ」が「絞り」ととても親密な関係にあるからです。
絞りをカメラまかせにしてしまうと思うようにボケを作ることができません。
ボケを自在にコントロールするためには絞りを自分で設定する必要があるので、撮影モードを「絞り優先オート(A)」にしておきましょう。
撮影モードを「絞り優先オート(A)」にすると絞りの設定ができるので、ボケを自由にコントロールできるようになる。
知っておきたい知識「ISO感度のオート設定」
ISO感度とはセンサーの光の感度のこと。ISO感度が高いほど暗いシーンで速いシャターが切れますがノイズで劣化する副作用があります。できれば撮影シーンに合わせてISO感度を設定したいところですが、慣れないうちはカメラまかせにしてしまうことをおすすめします。
そのときに、ISO感度の上限を6400、シャッタースピードの低速限界を1/125ぐらいにしておけば、極端に真っ暗でないかぎりどんなシーンでも対応できます。
思い通りの「ボケ」を作る方法
それでは撮影モードを「絞り優先オート(A)」にしたところで、次に「ボケ」を自在にあやつる方法から解説していきます。
- 絞りを開ける
- 望遠で撮る
- 近づいて撮る
この3つの要素を上手に組み合わせれば背景をボカした写真を撮ることができます。
絞りを開ける
「絞り」とはレンズから入る光の通り道の穴のこと。
絞りの大きさは「F値」であらわし、F値が小さいほど絞りが開いている状態でF値が大きいほど絞りが絞られている(閉まっている)状態です。
絞りを大きく開ければボケが多くなり、絞りを小さく絞ればボケが少なくなります。
- 絞りを開ける(F値が小さい) … ボケが多くなる
- 絞りを絞る(F値が大きい) … ボケが少なくなる
絞りを開けた(F4.0)状態では背景はしっかりボケていて、被写体のアジサイが浮かびあがった写真が撮れました。
いっぽう、絞りを絞った(F22)状態ではボケの量が少なくなり、背景の木や塀までわかるように撮れております。
レンズによって設定できる絞りが決まっている
カメラボディーとレンズがセットとなったレンズキットに付属される標準ズームレンズは、一般的にF3.5~F22の範囲で絞りの設定ができます。
レンズをみてみると「AF-P NIKKOR 18-55mm 1:3.5-5.6G」といった感じで、このレンズは焦点距離18mmではF3.5まで、55mmではF5.6まで絞りが開けるという意味です。
「もっとボケボケな写真が撮りたい!」って人は絞りがもっと開く単焦点レンズを使ってみよう! 単焦点レンズはF1.8やF1.4といったぐらい絞りを開けられるので、ズームレンズでは撮ることができないボケが体験できます。
望遠で撮る
望遠(焦点距離が長い)であるほどボケが多くなり、広角(焦点距離が短い)であるほど背景がボケにくくなります。
- 焦点距離が長い … 背景がボケやすい
- 焦点距離が短い … 背景がボケにくい
遠くの離れたものを大きく撮るときに使う望遠。
望遠(焦点距離を長く)にすればピントが合う前後の範囲が狭まるので、よりぼかすことができます。
いっぽう広角側(焦点距離が短い)では前後のピントの合う範囲が広がり、写真全体がはっきりくっきり写るようになります。
ポートレート撮影は望遠気味に撮る!
ポートレート(人物撮影)のような主題が決まっている撮影は、望遠気味に撮影することで余計な背景がぼかして省略しちゃいましょう。
背景がボケることで人物を際立てせる写真が撮影できます。
近づいて撮る
カメラと被写体の距離によってもボケの量は変わります。
主題である花にグッと近くことで背景をぼかすことができます。
主題と背景の距離をおく必要がある
同じ花を角度を変えて撮影したものですが、これだと主題の花と葉っぱの距離が近すぎて背景がボケてくれません。
被写体に近づくだけではなく「主題と背景の距離をとる」ことが必要です。
知っておきたい知識「最短撮影距離」
レンズには被写体に近づける限度があってそれよりも近づくとピントを合わせることができません。ピントが合わせられるもっとも近い距離のことを「最短撮影距離」といって、レンズによって近づける距離が違います。
カメラボディーには必ずセンサーの位置を示す印があり、この印を基準に近づける距離を知ることができます。たとえば最短撮影距離が0.3mならこの印から30cm以降にピントが合わせられるということです。
ボケが多い | ボケが少ない | |
絞り | 絞りを開ける | 絞りを絞る |
焦点距離 | 望遠 | 広角 |
被写体との距離 | 被写体と背景が遠い | 被写体と背景が近い |
写真の明るさは「露出補正」で行う
ボケをマスターしたところで次は「明るさ」についてです。
カメラには自動で写真を適切な明るさにしてくれる「自動露出(AE)」という機能があります。
自動露出(AE)でほどよい明るさに算出されたものを「適正露出」といういうのですが、この適正露出はどれも無難な明るさにしかならないので、ときには自分で補正してあげる必要があります。
- 自動露出 … カメラが明るさを算出する機能。AEと略される
- 適正露出 … 自動露出で算出した明るさのこと
自動露出で算出される適正露出はとても正確なもので、写真を撮る上ではなくてはならない存在。
だけど、「ほどよい明るさにしよう!」とばかりに、「明るすぎるものはちょっと暗めに」「暗すぎるものはちょっと明るめに」とお節介な場面もあります。
反射率が高い被写体、いわゆる「白っぽい被写体」「明るい被写体」は見た目よりも暗く写り、反射率が低い被写体「黒っぽい被写体」「暗い被写体」は見た目よりも明るく写る性質があります。
- 反射率が高い被写体 … 暗く写そうとする
- 反射率が低い被写体 … 明るく写そうとする
自動露出は「明るいものは明るく」「暗いものは暗く」っていうのをやってくれず、どれもほどよいイイ感じの明るさにしちゃうんです。
白はプラス・黒はマイナスが露出補正の基本
反射率の高い被写体には露出補正をプラス、反射率の低い被写体にはマイナスするのが露出補正の基本。
- 反射率が高い被写体 … 露出補正をプラス
- 反射率が低い被写体 … 露出補正をマイナス
プラスするシーン 露出補正を
雲ひとつない晴天の空を背景に建造物を撮影したものの、空が建物よりも明るすぎて自動露出は暗めになってしまいました。
露出補正を+2にすることで暗くなってしまった建造物が明るく写るようになりました。
場所は変わりまして、東京ディズニーランドの名物パレード「エレクトリカルパレード」も意外と反射率が高い被写体。
露出補正を何もしない状態では明らかに失敗写真になってしまったけど、露出補正をがっつり「+3」してやればイメージ通りの写真が撮れました。
こんな感じで白い被写体や空を背景にした逆光撮影、夜のイルミネーションではカメラが明るすぎると判断してしまうので、こちらで「露出補正をプラス」してあげます。
マイナスするシーン 露出補正を
フレームいっぱいにカメラを撮ってみましたが「被写体のカメラが黒い」ので暗いと判断されて適正露出は明るめに黒が浮いている感じにされてしまいます。
勝手に明るくされてしまった写真は露出補正をマイナスにして黒をしめ、本来の被写体の黒さを再現します。
「明るいものにはプラス」「暗い者にはマイナス」といった感じで、見た目通りに露出補正をしてきましたが、次は大幅に露出補正する「ハイキー」「ローキー」をやってみましょう。
大胆に露出補正して「ハイキー」「ローキー」で撮ってみる
ハイキーとは適正の明るさよりもあえてプラスに補正をする表現方法。
一番暗い木の枝に適正露出を持っていき大胆に露出補正をプラスにすると「やわらかく優しい雰囲気」を表現することができます。
ハイキーは白飛びをおこしやすいので白飛びしている箇所がわかる「ハイライト警告表示」をして、被写体が白飛びしないように注意して撮影しましょう。
たいして、適正よりも暗めにすることをローキーといいます。
メインの被写体である人物よりも背景の水槽が明るいのですが、あえて明るい水槽に露出を合わせて人物をシルエットのように撮影。
ローキーは「シルエット」にしたり「重厚感」を表現したいときに有効な露出設定でございます。
- ハイキー … 光を強調し「やわらかさ」「優しさ」を表現
- ローキー … 「冷たさや」「重厚感」を表現するときに有効
カメラの自動露出(AE)が算出する適正露出はシーンによってときには補正してあげる必要がある。
- 反射率が高い被写体 … 露出補正をプラス
- 反射率が低い被写体 … 露出補正をマイナス
「ホワイトバランス」で色をコントロール
そして最後に「色」について。
色はホワイトバランスを使ってコントロールします。
ホワイトバランスとは「白いものを白く写す」という機能。
基本的にはホワイトバランスはカメラまかせのオートでも構いませんが、何が何でも白く写そうする、これまた真面目な機能なのです。
ホワイトバランスオートでは夕焼けが赤くならない
ホワイトバランスを「オート」に設定して夕焼けを撮ってみました。
だけど目で見た風景にはほど遠く、ぜんぜん夕焼けの色を再現できておりません。
ホワイトバランスオートは万能ではあるものの「雰囲気を残した色」にするのがどうも苦手。
それでは夕焼けを見たままの色で撮影するにはホワイトバランスはどうすれば良いのか?
夕焼けはホワイトバランス「日陰」で撮る
ホワイトバランスにはオートの他に手動で設定する「晴天」「曇天」「日陰」「蛍光灯」「電球」などがあります。
ホワイトバランスの設定を「日陰」にして夕焼けを撮ってみましょう。
ホワイトバランスの設定を「日陰」にすることで見た目に近い夕焼けの色を再現することができました。
ホワイトバランスは白いものを白く写す機能なので、夕焼けを「オート」で撮影すると夕焼けの赤色を白に補正しようし結果的に夕焼けの色にはなってくれません。
いっぽう、ホワイトバランス「日陰」は日陰の環境下で白く写る設定です。
人間の目はとても優秀なので気づかないのですが、機械であるカメラから見る日陰での光はとても青いのです。
ホワイトバランスと「日陰」にすると青い光を白に補正しようとするので、結果的に夕焼けの赤色の光が強調されるということなんです。
夕焼けの空を撮影するときはホワイトバランスを「日陰」に設定して、赤みを強調して撮影してみましょう。
知っておきたい知識「色温度」
色温度とは太陽光などの自然光や人工的な照明の色を示す尺度のことで単位は「K(ケルビン)」で表します。色温度が高いほど青く、低いほど赤色の光ということになります。
ホワイトバランス「日陰」では約8000Kの光を白く補正するので、それ以下の色温度の光が赤くなり全体的に暖色系な仕上がりになります。
ホワイトバランス「電球」
ホワイトバランス「蛍光灯」
ホワイトバランス「晴天」
ホワイトバランス「曇天」
ホワイトバランス「日陰」
- 電球 … 青っぽい(寒色系)
- 蛍光灯 … 紫系
- 晴天 … 昼間の太陽光での基本の色
- 曇天 … オレンジっぽい(暖色系)
- 日陰 … もっと赤く
ホワイトバランスをいじると赤色の夕焼けもいろんな色に演出することができるのです。
寒色系にしたいなら「電球」 暖色系にしたいなら「日陰」といった感じで、ホワイトバランスの性質を利用して色をコントロールすることができます。
ホワイトバランスをフィルター代りに「色をコントロール」する
ホワイトバランスはの本来の昨日は「白を白く写す」ものでしたが、逆手にとって好みの色に仕上げる「フィルター」代りに使うこともできます。
詳しくはこちら!
まとめ
今回は「カメラ初心者のための撮り方! 3つのポイントをおさえてイメージ通りに撮影してみよう」について書きました。
まずはフルオートから卒業。撮影モードを「絞り優先オート」に設定して絞りを自分で決めるところからスタートです。
- 「ボケ」… 絞り・望遠・近づいて背景は遠く
- 「明るさ」… 露出補正 白はプラス・黒はマイナス
- 「色」… ホワイトバランス 暖色なら曇天or日陰・寒色なら電球
それでは早速、カメラを持って撮影に出かけてみましょう!