- 映画のような背景のボケた映像が楽しめる一眼レフ動画に興味がある!
- 一眼レフで動画を撮ってみたいけど、カメラ高そう。。
- キヤノンとかニコン、どっちのメーカーがいいの?
ビデオカメラで撮った映像っていかにもホームビデオ感丸出しで全体的にベターっとした感じ。
あの劇場で見る立体感のあって被写体だけが浮かび上がる背景がぼけた動画を撮ってみたいですよね。
映画撮影で使われているカメラなんて趣味レベルで買えるワケがない代物なワケですが、一眼レフカメラだと手軽に劇場クオリティな動画が撮れちゃいます。
「キレイな映像が撮れる」一眼レフカメラではございますが「何を撮るかによる」というのを知っておかなくてはなりません。ビデオカメラのように運動会で走る子を起きかけるような使い方は一眼レフカメラではできないと思っておいてください。
その理由に一眼レフ動画はピント合わせが非常に難しいことが挙げられます。詳しくは『ピントが難しい一眼レフでの動画撮影はあることで格段に簡単になる』に書いておりますが、ビデオカメラのような、自由自在にオートフォーカスが効くとは一眼レフ動画ではできません。
その難しい動画でのピント合わせなんですが、一眼レフの2大メーカーと言われるキヤノンとニコンのカメラを比較してみて、動画のオートフォーカスに力を入れているのはキヤノンの方なんです。一眼レフカメラで動画をはじめるならぜひともキヤノンをお勧めしたい。
ということで、今回は一眼レフカメラで動画を撮ってみたい、または一眼レフ興味があるあなたに、一眼レフ動画ってどんなものなのか。キヤノンとニコンを比較した場合キヤノンを進める理由などを紹介しようと思います。
- 一眼レフカメラで撮るキレイな動画の秘密
- ビデオカメラと一眼レフの大きな違い
- 一眼レフ動画はピント合わせが難しい理由
- 一眼レフ動画をはじめるならキヤノンを勧める理由
一眼レフカメラで撮った動画がなぜキレイなのか
ビデオカメラと違って一眼レフカメラで撮った動画は背景がボケていて被写体だけが浮かび上がった、なんと言えない印象的な動画が魅力的。
なぜ一眼レフで撮った動画はビデオカメラとあんなにも雰囲気の違った動画が撮れるか? その理由にカメラ自体に搭載されたイメージセンサーサイズの大きさが違うからです。
一眼レフとビデオカメラとではイメージセンサーサイズが全然違う
イメージセンサーとは簡単に説明すと、レンズから取り込んだ光を変換し画を作り出すパートです。いわゆるフィルムのようなところ。
もともと静止画(写真)を撮ることに特化した一眼レフと、動画を撮ることに特化したビデオカメラとはそれぞれ目的が違います。
- 一眼レフカメラ 静止画専門
- ビデオカメラ 動画専門
一眼レフカメラは静止画1枚に全力投球するため、イメージセンサーのサイズを大きくすることで、明るいところから暗いところまで(ラチチュード)できるだけ読み取れるようにし、色の表現を豊かにそして電気ノイズができるだけ静止画にのらないように作られています。
対する一般消費者向けのビデオカメラは動いている映像・音声が記録できればいいので一眼レフほどの画のクオリティを必要としません。
片手で撮影できるようにカメラ自体を軽くし、イメージセンサーを小型にすることで取り回しを良くして、手振れ補正やピントの合わせやすさと動画を撮影する上で、ビギナーの方でも負担にならないように作られています。
一眼レフとビデオカメラのイメージセンサー比較
この図はフルサイズ一眼レフカメラに搭載されているフルサイズのイメージセンサーと、高精細4K動画が撮影できるソニーのハンディカムに搭載されてる「1/2.3型センサー」を比較してみたイメージです。
大きさは全然違います。一目瞭然ですよね。
一眼レフのイメージセンサーはビデオカメラとくらべて大きさでは圧倒的に凌駕しております。
こんなにも大きさが違うのでその分イメージセンサーが受け止められる光の量(情報量)も違うので、撮影できる画のクオリティは一眼レフの方が良いことになります。
映像の見た目で1番変わってくのは冒頭でも書いた被写体だけが浮かび上がって、背景がボケて立体感のある映像が撮れるところです。
https://hechima-papa.com/2018-04-20-image-sensor/
被写界深度が全然違う
ここまでイメージセンサーが違ってきますと、ピントが合う前後の範囲『被写界深度』が全然違ってきます。
被写界深度(ひしゃかいしんど)とは、写真の焦点が合っているように見える被写体側の距離の範囲のこと。写真用レンズにおいては、ある一つの設定で厳密な意味でピントが合っている場所は、一つの平面上にしかないが、一定の許容量を認めることでその前後にも十分にはっきりと像を結んでいるといえる範囲がある。その範囲のことを被写界深度と呼んでいる。
イメージセンサーの大きさが違うと、同じ焦点距離でも撮影できる範囲(画角)が違ってきます。
焦点距離とはイメージセンサーとレンズの距離で、この距離が短くなれば画角が広く『広角になり』距離が長くなると画角が狭くなって『望遠』となります。
フルサイズイメージセンサーが搭載された一眼レフカメラと、1/2.3型センサーのビデオカメラが同じ画角を撮るとすると、ビデオカメラは焦点距離を短くするのに超広角レンズを使って画角を広げないといけません。
もう一度、センサーサイズの比較図を見てみると、ビデオカメラのセンサーは一眼レフと比べてほとんど中心部分ほどの面積しかありません。実際に同じ焦点距離のレンズで撮影してみると。
赤い枠で囲んだ範囲が1/2.3型センサーのビデオカメラで撮影できる範囲です。フルサイズ一眼レフとくらべると非常に狭い範囲しか撮影することができず、言い換えれば望遠側にシフトしているということになります。
非常に狭い範囲した撮影できないので、ビデオカメラに付いているレンズはこれに対応するため、もっと広い範囲が撮影できるように焦点距離がごく短い超広角レンズが搭載されているんですよね。
焦点距離が長くなるほどピントが合う範囲が狭くなります。
一眼レフカメラの方が焦点距離が長くなり被写界深度(ピントが合う範囲)が浅くなるので、背景がボケた画が撮れるということになります。
一眼レフの動画がキレイならビデオカメラって必要ないよね?
一眼レフカメラの動画ここまでキレイに撮れるならビデオカメラの存在価値が無いように思うが、どうしてまだビデオカメラが売られているのか? 一眼レフ動画にも弱点があるのか?
一眼レフとビデオカメラの目的が違うということは先ほども書きましたが異なります。
- 一眼レフカメラは静止画撮影に特化した道具
- ビデオカメラは動画撮影に特化した道具
一眼レフは写真撮影にパラメーター全振りにチューンナップされたイメージセンサーですが、これを動画に使用できないか? ということで後付けされたオマケ機能なんですよね。
対して、一般的なビデオカメラは誰でも“見れる映像”が簡単に撮れるようにできています。
“見れる映像”というのはブレがなくピントもしっかりきている映像です。
たとえるなら、手堅くヒットを打つビデオカメラに対して、一発ホームライン狙いの一眼レフ動画という感じ。
写真撮影はシャッターを切って一瞬で撮影しますが、ビデオカメラの動画撮影はそうとはいかずカメラを動かしてワークしたり、動かすから手振れ補正にも力を入れています。
ソニーハンディカムの手振れ補正技術 “新”「空間光学手ブレ補正」|ソニー公式サイト
ソニーハンディカムの手振れ補正技術はレンズとイメージセンサーが一体となって、カメラのブレを丈夫にいなして手ブレを補正します。一眼レフでは到底できない離れワザ。
連続撮影時間の壁というのもありまして、連続撮影時間が30分以上になるとビデオカメラ扱いとなり関税が上がるようです。
一眼レフカメラはその点に抵触しないように連続撮影時間を29分59秒以下に強制的に抑えられています。これより長回しをするならビデオカメラを使うしか無いということです。
そのあたりをひっくるめてビデオカメラは動画撮影に特化した需要のある道具なんですね。
一眼レフ動画というものはすごい映像が撮れそうだけど諸刃の剣。だけど手に届きやすい価格で、映画の現場で使われるような数百万円もするビデオカメラに匹敵する動画が撮れるというところが最大の魅力です。
一眼レフ動画はピント合わせが難しい
背景がボケた動画が撮れる一眼レフですがボケやすい分、ピントを合わせるのが難しいとう副作用があります。
動きまわる被写体をオートフォーカスで追いかけるといった動画撮影はできないと思っておいてください。
理由は先ほども言いましたが、一眼レフのイメージセンサーサイズは動画を撮るには少し大きすぎるからなんですよね。
一眼レフは静止画を専門に撮る道具なのでビデオカメラのようなオートフォーカスは期待しないでください。
一眼レフカメラのオートフォーカス方式というのはカメラ内部にある反射鏡(レフ)を使って、レンズから入ってきた画をオートフォーカスを制御するAFモジュールに反射させて、高速なオートフォーカスを可能にしています。
動画を撮影するときはこの反射鏡が跳ねあがってシャッターが開き、イメージセンサーを露光させて動画を撮影します。
反射鏡があがっているのでファインダーがブラックアウトすると同時に、オートフォーカスを制御するAFモージュールも画が見れない状態となっています。
この状態だと、一眼レフカメラの長所である高速なオートフォーカスが使えなくなってしまうので、代わりにコントラストAF方式に切り替わるのですがこれが、非常に鈍足なんです。
YouTubeとかで見かける一眼レフ動画はとても上手に撮られているのですが、あれは三脚をしっかり据えてカメラを固定しているものが多いです。
被写体との距離があまり変動しないようにしっかりと構図を決めて撮影するからこそ、日ビデオカメラには到底かなわない破壊力抜群な一眼レフ動画が撮れるんですよね。
ということで、一眼レフ動画のピント合わせは非常に難しいと覚えておいてください。オートフォーカスは思うようにいきません。
一眼レフ動画をはじめるならキヤノンがオススメな最大の理由
前置きが長くなってしまいましたが、一眼レフ動画はピント合わせが非常に難しいことはわかっていただけたはず。
それをふまえて、一眼レフカメラ2大メーカーであるキヤノンとニコンのうち、どっちのメーカーで一眼レフ動画をはじめるとするならキヤノンを激しく勧めたい。
その大きな理由としてニコンのライブビュー時のオートフォーカス速度がキヤノンに完敗な点であります。
キヤノンのライブビューAFはピントが合うまでの速度が速い
一眼レフ動画でキヤノンを勧める最大の理由はライブビュー時のオートフォーカスの速さです。
キヤノンは独自のデュアルピクセルCMOS AF方式というオートフォーカス方式をとっており、ライブビュー時でもファインダー撮影時と遜色ない高速はコートフォーカスが魅力的。
かといって動画をオートフォーカスで完璧にピントを追いかけられかはキヤノンでも難しいので、あくまでピントを合わせる合焦までのスピードが速いということです。
これに関してはニコンは完敗。ニコンの一眼レフはファンダー撮影時のオートフォーカスはとても優秀で制度も申し分ないんですが、ライブビューになると鈍足すぎてダメです。
ニコンのライブビュー時のオートフォーカスは速度が遅いコントラスト方式だからです。
一眼レフで動画をやるならオートフォーカスが速いキヤノンがオススメです。
キヤノンには動画撮影に助かるパワーズームアダプタがある
一眼レフ用のレンズは静止画を撮るために作られたものなので、当たり前だけ写真を撮るときにズームしながらシャッターなんか切りませんよね。
なので一眼レフ用のレンズって思うように滑らかにズーミングできないのですが、キヤノンには滑らかなパワーズーム(電動ズーム)が可能になるアダプタも販売されています。
今のところ、同じキヤノン製のEF-S18-135㎜ F3.5-5.6 IS USMにしか対応しておりません。
センサーサイズはAPS-Cサイズを選ぼう
APS-Cサイズというのはフルサイズよりもひと回り小さなセンサーですが、ビデオカメラのセンサーよりかは全然大きなセンサーです。APS-Cサイズの一眼レフでも十分に良い動画が撮れます。
ここでフルサイズセンサー搭載の一眼レフを勧めない理由は、なんども申しますがイメージセンサーが大きすぎることによるピント合わせが非常に難しいからです。
フルサイズ一眼で動画のピント合わせなんて本当に無理ゲーです。確かにフルサイズセンサーで撮る動画は空気をも写すかのような息をのむものですが、三脚やら照明やらカメラ周りの機材をそろえてやっと撮れるものなので、そう簡単にお気軽一眼レフ動画とはいかずほど遠いです。
ということで、APS-Cサイズの一眼レフを見てみましょう。
キヤノン APS-Cサイズ 一眼レフカメラ
EOS 80D
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 7D Mark II EF-S18-135 IS STM レンズキット EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM付属 EOS7DMK2LK
キヤノン一眼レフカメラAPS-Cサイズのセンサー搭載の中級機モデル。
キヤノン独自のAFシステム『デュアルピクセルCOMS AF』でライブビュー時でもスムーズに滑らかなオートフォーカスができるようになっている。
集録形式にMP4が選択できるので撮ったらすぐにスマホでシェアや動画サイトへのアップロードも簡単に行えます。MP4への変換って意外と大変なもので長時間集録してデータをMP4に変換(エンコード)しようとすると、変換ソフトが必要だしそれなりにパソコンのスペックも必要なんですよね。こうやって直接MP4で集録できるのって便利。
- カメラ部有効画素 約2420万画素
- フォーカス方式 デュアルピクセルCMOS AF方式
- AF方式 顔+追尾優先AF、ライブ多点AF、ライブ1点AF、手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大確認可能)
- 記録形式 MOV、MP4
- 記録サイズとフレームレート [MOV]
Full HD(1920×1080):29.97p/25.00p/23.98p
[MP4]
Full HD(1920×1080):59.94p/50.00p/29.97p/25.00p/23.98p
HD(1280×720):59.94p/50.00p/29.97p/25.00p - カメラ重量 約730g
EOS Kiss X9i
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X9i レンズキット EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM 付属 EOSKISSX9I-18135ISUSMLK
少し予算を抑えるならEOS Kiss X9iという選択もあります。こちらもキヤノンお得のオートフォーカスでライブビュー時でも高速で滑らか。
しかも電子的はありますがカメラ内でも手ブレを軽減する補正する機能もございます。
サイズもコンパクトなのでなかなかいいカメラですよ。
- カメラ部有効画素 約2420万画素
- フォーカス方式 デュアルピクセルCMOS AF方式
- AF方式 顔+追尾優先、スムーズゾーン、ライブ1点
手動ピント合わせ - 記録形式 MP4
- 記録サイズとフレームレート Full HD(1920×1080): 59.94p/50.00p/29.97p/25.00p/23.98p
HD(1280×720): 59.94p/50.00p/29.97p/25.00p
VGA(640×480): 29.97p/25.00p - カメラ重量 約532g
EOS 5D Mark IV
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkIV ボディー EOS5DMK4
あれだけフルサイズを勧めないと言っときながらやっぱり紹介したくなる最高の一眼レフ。
テレビで見かれる食レポなんかで料理の箸あげインサートはよく5Dで撮ってたりします。ビデオカメラのようなベターっとした画ではなく、色彩豊かで立体感がある画は“シズル感”があるので番組制作の現場でも一眼レフで動画を撮ることもあります。
- カメラ部有効画素 約3040万画素
- フォーカス方式 デュアルピクセルCMOS AF方式
- AF方式 顔+追尾優先AF、ライブ多点AF、ライブ1点AF
手動ピント合わせ - 記録形式 MOV、MP4
- 記録サイズとフレームレート 4K(4096×2160)、Full HD(1920×1080)、HD(1280×720:ハイフレームレート動画)
- カメラ重量 約890g
外部マイクを使ってもっと音声にこだわる
一眼レフに内蔵されたマイクはほとんどその場しのぎのオマケ程度。風が強いとゴボボボーッ!と余計な音を拾ってしまいます。あとはオートフォーカス駆動などカメラ本体に伝わる音も拾いやすいです。
こんな時は一眼レフカメラに外部マイクとつけると軽減されます。
ステレオマイクロホン AT9945CM
一眼レフカメラの頭に取り付けるクリップオンタイプのマイクを購入しましょう。こちらのAT9945は電池が不要で給電が必要なく、風の音を軽減する毛がフサフサな風防が付属しています。値段もお手頃で1万円前半で購入が可能。
マイクロホン AT9945CMの概要|オーディオテクニカ公式サイト
一眼レフカメラで撮る動画まとめ
ということで、気軽で映画のような動画が撮れる一眼レフ動画についてご紹介しました。
僕はずーっとニコンのカメラを使ってきて本当はニコンのカメラを勧めたいところなんですが、動画に関してはキヤノンの後塵を拝しています。
やっぱライブビュー時のオートフォーカス性能はマジで重要です。
今回の要点をまとめてみると・・・
- 一眼レフのイメージセンサーはビデオカメラより圧倒的に大き
- イメージセンサーが大きすぎるのでビデオカメラのようなAFは期待しない
- 動画はニコンよりライブビュー時のAFが速いキヤノン
- フルサイズはピント合わせが困難
- APS-Cサイズの一眼レフがオススメ