僕はミラーレスカメラ ニコンZ6を使っていてフルサイズセンサーを搭載しながらカメラボディーが小さく小回りがいいので一眼レフの稼働率が下がってしまいました。
いくらカメラボディーが小さく軽くなってもフルサイズに対応するレンズは長くて重い。ちょっとしたお出かけや子どもとの公園でも気兼ねなく持っていける小さなレンズを探していました。
そんなところに「ミラーレスカメラはマウントアダプターを介せばいろんなマウントのレンズが使用できる」というのを知り、今回はフォクトレンダーの小型パンケーキレンズ「フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PII」を購入してみました。
購入したフォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIはVMマウントなのでZマウントに変換する必要がありマウントアダプターも同時購入。
てことで、フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIのレビューと合わせて同時購入したマウントアダプター 焦点工房の「LM-NZ M」も一緒に紹介していこうと思います。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの概要
VoightLander 単焦点広角レンズ COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII 130715
レンズの全長がたったの23mmしかなく重量が134gと非常に軽量。
現代における最新レンズといえばオートフォーカス用のモーターや手振れ補正ユニットなどテクノロジーを詰め込んだレンズばかり。今回のフォクトレンダー 35mm f2.8はその辺りはすべて省いてしまっているのでこのような超コンパクトが本体になっています。
レンズスペック
焦点距離 | 35mm(画角63°) |
---|---|
開放絞り | f/2.5 |
絞り羽枚数 | 10枚 |
マウント形状 | VMマウント(ライカMマウント互換) |
最短撮影距離 | 0.7m |
フィルターサイズ | 39mm |
重量 | 約134g |
レンズフード | LH-4N(別売) |
発売日 | 2004年02月25日 |
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの概要|フォクトレンダー公式サイト
レンズの外観
マニュアルフォーカスであっても最近のミラーレスカメラにはピントの山が見た目で掴みやすくなる「ピーキング」と言う機能が備わっているので不便は感じません。同じく手振れ補正もカメラ側でできるのであればこちらも問題無し。
マニュアルフォーカスレンズだけあって快適にピント合わせができるよう指の形にフィットする「フォーカシングレバー」が備わっています。
ピントリングを回した感じはマニュアルフォーカスレンズ特有のしっとりと粘りのあるトルクが心地よく微細なピント合わせができます。「これぞMFレンズ!」といった感じでニコンAF-Sレンズのようなスカスカなピントリングとは大違い。
レンズフィルター径が39mmと僕が持っているレンズの中でもっとも小さかったので今回は新たに保護フィルターも購入しておきました。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの先端がシルバーリムだったので合わせてシルバー色の保護フィルターにしようかと悩みましたが無難に黒縁の保護フィルターをチョイス。
シルバーリムのレンズに黒縁保護フィルターをつけるとこんな感じ。悪くないですよね。
無理にシルバーに色を合わせる方が難しそうなので黒縁で正解でした。
マウントの形状はVMマウント(ライカMマウント互換)なので本来はライカカメラに合わせて作られたレンズです。当然ですがニコンZ6には直接つけることができません。
ライカMマウントからニコンZマウントに変換するアダプター
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIはVMマウント(ライカMマウント)なのでこのままでは僕が持っているニコンZ6にはつけることができません。
ということで同時にマウントアダプターも購入しておきました。
焦点工房 SHOTEN LM-NZ M ヘリコイド付き
SHOTEN マウントアダプター LM-NZ M EX (B) (ライカMマウントレンズ → ニコンZマウント変換) ヘリコイド付き
数多くのマウントアダプターを取りそろえている焦点工房のマウントアダプター「SHOTEN LM-NZ M」を購入しました。
マウントアダプター仕様
型番 | LM-NZ M (EX) (B) |
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対応レンズ | ライカMマウント |
対応カメラ | ニコンZマウント |
素材 | 真鍮・アルミ |
特徴 | 繰り出し量 8mm ヘリコイド付き |
発売日 | 2019年5月10日 |
ずっしり重く「金属の塊!」って感じで本体の作り・精度とも問題なし。
マウントアダプターの重量は約112g。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIとアダプターを合わせると約252gでした。見た目が小さいのでずっしりと重く感じます。
繰り出し8mmのヘリコイド付き
焦点工房のLM-NZ Mはアダプター本体が「ヘリコイド」と呼ばれる構造になっており、アダプターを回転させると8mm繰り出す仕様。
ヘリコイド付きが何に効果があるかというと簡易マクロである「寄り」の撮影が可能になります。
ライカなどのレンジファインダーカメラ用のレンズというのは最短撮影距離が長いものがほとんどで、今回のフォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの最短撮影距離は0.7mとお世辞にもまったく寄ることができません。
レンズの最短撮影距離を短くするにはレンズ後玉とイメージセンサーの距離を離す必要があるので、アダプターの全長を伸ばせる「ヘリコイド」付きのものを使えば最短撮影距離をさらに短くできます。
どれぐらい最短撮影距離を短くできるかは使用するレンズにもよりますが、COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIでは0.7mからなんと最短0.23mまで寄ることができました。
最短撮影距離0.7m → 約0.23mまで寄ることができる!
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの実写レビュー
それではフォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIをニコンZ6にドッキングして屋外撮影レビューしていきましょう。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PII 作例
ピントが合っている面は非常にキレがいいですね。ポスト表面のザラザラな塗装も写し出しております。
アダプターの繰り出し8mmのおかげで被写体にガッツリ寄って撮影できるのでバリエーションが増えます。まじでヘリコイド付きは必須。
開放f2.5ではあからさまに写真四隅が暗くなる周辺減光が一気に現れます。これもレンズの味でオールドレンズな風合いが楽しめます。
マニュアルフォーカスではさすがに動き回る子どもを追いかけるのは無理がありましたが、子どもとの公園フォトで使えないわけではありません。
ある程度ピントを合わせておきてそこからフォーカスリングをゆーっくり回してシャッターを連写するという、フィルムではできないデジカメならではな使い方で乗り切りました。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIの気になったこと
実際に使ってみて気になったことが以下の2点。
- レンズが小さく操作しづらい
- 撮影データが記録されない
レンズが小さすぎて絞り・フォーカス操作がしづらい
レンズが小さくてサイコー! って言っといてアレですがその反面操作がしづらいんです。
操作しやすいようにフォーカシングレバー等のつまみが付いてはいるのですが、自分が慣れないせいか操作に戸惑いました。
僕は男性で指はそこまで太くないのですがそれでもレンズが小さすぎて操作がしづらいので、とっさのピント合わせも遅れてしまいます。
レンズが小さいことは嬉しいことなんですけど、こういったコンパクトゆえの弊害があります。これは慣れるしかない。
撮影データが記録されない
レンズに電子接点がないのでレンズとカメラ間では電気的な繋がりはありません。なので絞りはレンズで設定しますが絞りの数値情報がカメラに伝わらないので撮影データ(メタデータ)には絞り値が記録されません。
写真データをLightroom等で管理する際、今回のフォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIで撮影した写真はすべて「0.0mm f/0.0」と記録されてしまいます。
なので後から「この写真は絞りf8だな」といった情報は知ることができなということです。これは少し不便。
どのレンズで撮ったかも記録が残らないので僕はLightroomでキーワードにレンズ名をつけて管理しています。
フォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIレビュー まとめ
ということで今回はフォクトレンダー COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PIIのレビューをしてみました。
本格的なマニュアルフォーカスレンズは初めてだったので自分にも扱えるか不安な部分もありましたが、最新ミラーレスカメラの組み合わせではピーキングに助けてもらえてピント合わせも楽でした。手振れ補正も効くので至れり尽くせり。
レンジファインダーレンズの弱点である最短撮影距離の長さもヘリコイド付きマウントアダプターがあれば一気に距離を縮められるので必ずこちらも買っておきたいアイテムです。
最新テクノロジーを詰め込んだレンズもいいですが、マニュアルフォーカスレンズでじっくり1枚1枚向き合って撮影するのもたまには息抜きで良いですね。
専用レンズフードLH-4Nも紹介したかったのですが在庫切れということで今回はおあずけ。後日こちらのページで更新します。