ニコン待望のフルサイズミラーレスZ6とスペック的に近しい存在であるデジタル一眼レフD750を比較してみようと思います。
「ニコンD750を持っているんだけど、ミラーレスのZ6が気になる・・・」
確かにフルサイズミラーレスZ6は魅力に溢れているカメラではありますが、
まぁカメラって値段が高い。
ニコンD750持ってんのにZ6に買い替える必要ある?
確かにニコンD750は販売開始から結構時期が経ってはおりますが、カメラとしての機能は現在でも十分第一線で張りあえるカメラでもあります。
ということで今回はニコンD750からZ6にすると改善されそうな(幸せになれる)点を中心に、D750ユーザーである僕がスペック比較してみました。
あくまで「改善されそうな点だけ」なのでご了承を
ニコンD750とZ6のスペック比較
ニコンZ6 | ニコンD750 | |
発売日 | 2018年11月23日 | 2014年10月15日 |
レンズキット実勢価格 | 340,000円(24-70キット) | 240,000円(24-120キット) |
イメージセンサー | FXフォーマット | FXフォーマット |
有効画素数 | 2,450万画素 | 2,432万画素 |
画像処理エンジン | EXPEED6 | EXPEED4 |
ファインダータイプ | 電子ビューファインダー | 光学ファインダー |
ファインダー倍率 | 約0.8倍 | 約0.7倍 |
シャッタースピード | 1/8000〜30秒 | 1/4000〜30秒 |
常用ISO感度 | ISO 100〜51200 | ISO 100〜12800 |
オートフォーカス方式 | ハイブリットAF | 位相差AF |
フォーカスポイント | 273点 | 51点 |
連続撮影速度 | 約12コマ/秒(AF/AE追従5.5コマ) | 約6.5/コマ秒 |
可動液晶タイプ | チルト液晶 | チルト液晶 |
カードスロット | XQDカード×1 | SDカード×2 |
電池寿命 | 約310コマ(ファインダーのみ) | 約1,230コマ |
外寸 | 約134×100.5×67.5mm | 約140.5×113×78mm |
重量 | 約675g | 約840g |
カメラ仕様の中で僕的に要チェックな部分を書き出してみました。
シャッタースピードが1/8000まで速くすることができたり、常用ISO感度の幅、オートフォーカス測距点の数などなど、仕様だけ見ているとニコンZ6はニコンD750よりもスペックは全体的に上回っているようですね。
その中でも・・・。
- 画質の改善
- ライブビュー時のAFの改善
- ボディ内手振れ補正
ニコンD750からZ6にすることで特に上記の3つが改善されると思われます。
ニコンZ6にして改善されるポイント
ニコンD750からZ6に買い替えると得られる『改善ポイント』
ニコンZ6を実機レビューしておりませんが普段からニコンD750を使ってまして、D750の「直して欲しいポイント」「改善して欲しいポイント」をZ6に買い替えると改善されるところを抽出してみました。
Z6になって画質は確実に良くなる
「画像が改善される」というと語弊がありますがニコンD750でも十分に綺麗な写真が撮れます。
今回、ニコンZ6に搭載されたCMOSセンサーと新設計の『Zマウントレンズ』の組み合わせで、これまでの一眼レフ&Fマウントレンズよりも「より高画質な写真」が撮ることができます。
綺麗だ、高画質だ、と言葉を並べただけでは良く伝わらないと思うので具体的に解説します。
- 裏面照射型CMOSセンサー
- 新設計のZマウントレンズ
1.裏面照射型CMOSセンサーでより高感度に強くなる
従来のニコンカメラでは「表面照射型CMOSセンサー」が使われていましたが、今回のニコンZ6では「裏面照射型CMOSセンサー」が採用されまいした。
CMOSセンサー(イメージセンサー)はフィルムカメラでいうところの「フィルムの部分」であり写真作りに直結する重要パートです。
裏面照射型CMOSセンサーによって、より多くの光の情報をフォトダイオードに届けられるので高感度ノイズを抑えられるようになっています。
従来型CMOSセンサーではフォトダイオードの手前に配線層があったので、レンズから入ってきた光を遮っていましたが
フォトダイオードと配線層を入れ替えた「裏面型CMOSセンサー」では邪魔するものがないので、効率的に光をフォトダイオードに届けることができます。
裏面照射型CMOSセンサー採用のZ6は高感度撮影でも耐ノイズに強くなるので、高ISO感度でも躊躇なくガシガシ撮影できるということです。
ニコンD750でも十分高感度に強いカメラではあるけれども、それ以上にニコンZ6は高感度撮影に強いカメラなんです。
D750のISO12800は常用とは言えず緊急時ぐらいにしか使えない画質でしたが、Z6では鑑賞に耐えれる画質で撮れると思うと期待が持てます。
ちなみに裏面照射型CMOSセンサーはニコンD850にも採用されております。
2.新設計のZマウントが余裕のある光学レンズを生む
今回新たにミラーレス専用『Zマウント』レンズが登場しました。
このZマウントのおかげで周辺が画質の改善とより明るいレンズの設計がしやすくなったとのことです。
これまでのニコン一眼レフカメラに採用されてきた『Fマウント』と新登場の『Zマウント』を比較してみると
Fマウント | Zマウント | |
マウント口径 | 44mm | 55mm |
フランジバック | 46.5mm | 16mm |
マウント口径とはその名の通りレンズとカメラの接合部の「円の広さ」で、フランジバックはマウントの面からイメージセンサーまでの距離のことを言います。
Zマウントによってマウント径を大きくしフランジバックを極端に短くすることで、従来のマウント径が小さいFマウントで設計が難しかった明るいレンズが作りやすくなったようです。
ニコンのFマウントってフィルム時代からずーっと使われているマウント規格で、50年以上もサイズが変わらず現代のデジタルカメラに至るまで使われているんですよね。
「不変のマウント」と言われててフィルム時代のオールドレンズも最新デジタルカメラでも使用できる利点があったり、レンズ資産が活かせるのがFマウントの特徴なんです。
反面、不変のマウントにこだわったせいかFマウントの弱点『マウント口径の小ささ』が浮き彫りになっていました。デジタルの世代になってフルサイズFXフォーマットレンズの設計に限界があるんですよね。
Fマウントが小さすぎるせいで明るいレンズを作り出すのが難しかったことから、今回は口径が大きくなったZマウントの登場でレンズ設計にもっと余裕が出てきたようなので今後のレンズラインナップに期待が持てるということです。
ニコン公式サイトにある今後のZマウントレンズロードマップを見てみると「58mm f0.95」といったFマウントではありえなかった明るさのレンズも予定されております。
というわけで・・・。
- 裏面照射型CMOSセンサー
- 新設計のZマウントレンズ
この2点のおかげでZ6はD750よりも画質の面で上回ると思われます。
ライブビュー時のオートフォーカスが実用的になる
ニコン公式サイトニコンZ6は合焦までのスピードが速い「位相差AF」と、ピントがより正確に合わせられる「コントラストAF」を状況に合わせて使い分ける『ハイブリットAF』となっております。
背面液晶を確認しながらのライブビュー撮影時のオートフォーカス速度が、D750と比べて格段に良くなります。
ニコンD750はファインダーを覗きながらの撮影では「位相差AF」なので非常に高速なんですが、背面液晶画面を使ったライブビュー撮影では『コントラストAF』だけで合わせるので、ピント合わせがめちゃくちゃ鈍足になってしまいます。
対してニコンZ6はミラーレスなのでファインダー撮影でも背面液晶での撮影も“基本的にはどっちもライブビュー撮影”。オートフォーカス速度はどっちも一緒です。どちらもフォーカスが高速な位相差AFが使えるのでピント合わせが非常に高速なんです。
- ファインダー撮影・・・位相差AF(高速)
- 背面液晶撮影・・・コントラストAF(遅い)
- ファインダー撮影・・・位相差AF&コントラストAF(高速)
- 背面液晶撮影・・・位相差AF&コントラストAF(高速)
一眼レフカメラとミラーレスの大きな違いとしてカメラ内部のミラーの有無なんですが、一眼レフはこのミラーでレンズから入ってきた光を反射してオートフォーカスを制御するAFセンサーに送り込んで位相差AFを行っています。
対してミラーレスはレンズから入っていた光を直接イメージセンサーに取り込んで位相差AFをする『像面位相差AF』という技術で一眼レフカメラと遜色ない高速なAFを実現させています。
ニコン一眼レフでは背面液晶を使ったライブビュー撮影時、イメージセンサーに光を取り込むときにミラーをあげる必要がありAFセンサーが無効になってしまうため、高速な位相差AFが使えなくなってしまいます。
ニコン一眼レフには像面位相差AFは採用されていないので、イメージセンサーに取り込んだ画を見ながら1番コントラストが高くなる部分をピントが合った部分としてフォーカスを合わせるコントラスト方式になってしまいます。
このコントラストが高いポイントを探るのにレンズを前後させるのでピント合わせに時間がかかってしまうんですよね。
ニコンZ6だとチルト液晶を活用したローアングル撮影でもストレスなく高速AFができるので、この辺がニコンD750よりも格段に改善される点だと思います。
しかもタッチパネル搭載なのでピントを合わせたいところに液晶画面を触れればスパッとフォーカスを合わせてシャッターをきることができます。超便利。
ボディ内手振れ補正でVR無しレンズも手振れ補正ができる
一眼レフではレンズ内に手振れ補正を搭載するのが当たり前でしたが、ミラーレスとなったZシリーズではカメラボディ内に約5.0段分の手振れ補正(VR)が組み込まれています。
ということはですね、今までは手振れ補正が無かった単焦点レンズたちも手振れ補正が効いた状態で撮影ができちゃうんですよね。
極端な話、オールドレンズでも手振れ補正(VR)を効かせて撮影できます。
手振れ補正になんて必要無いとおっしゃる方もいるかと思いますが、写真撮影だけではなく今では動画撮影をする方も増えています。
シャッタスピードを速くすれば手ブレを抑えられる静止画ですが、動画撮影ではそうとはいきません。ブレにブレまくった動画は見るに堪えないのでできれば手振れ補正(VR)搭載のレンズを使いとろころ。
Z6ではカメラボディがしっかりと補正をしてくれるので手持ちの動画撮影でもVR無しレンズが使いやすくなっています。
ニコンD750とZ6比較まとめ
という感じでニコンZ6の仕様を見ただけでの比較ではありましたが、ニコンD750ユーザーである僕が感じたニコンZ6に買い替えると改善されそうな点だけをまとめてみました。
- センサー&マウントの進化でより画質が良くなる
- ライビュー撮影のAFが爆速になる
- VR無しレンズでも手振れ補正が聴く
やはり最新カメラだけあってニコンZ6はD750より全体的にスペックを上回っておりD750の気になる点をすべてカバーしてますね。
「ライビュー撮影のAFが爆速になる」点はニコン一眼レフユーザーにとってとてもありがたいことだと思います。
ミラーレス特有の電子ビューファインダーになれるかどうかがポイント。
ここさえ乗り切れば一眼レフユーザーでもZシリーズに乗り換えても後悔は無いと思います!
あとは資金があればですね。