どうも、カメラ大好き、へちま(@hechima_papa)です。
カメラの性能で大きく差が出ると言われるイメージセンサー(またはCMOSセンサーと呼ぶ)。
イメージセンサーとはレンズから入ってきた光を受け止めるとても重要なパートで“デジタルカメラの目”とも言われています。
- フルサイズ
- APS-Cサイズ
- マイクロフォーサーズ
- 1インチ
- 1/3インチ
などなど…
主なイメージセンサーの面積が広い順で並べてみました。
フルサイズやAPS-Cサイズ、マイクロフォーサーズは一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラなどに搭載される大型センサー。
1インチは少々お高めな高級コンパクトデジタルカメラに採用されている対角線1インチ(2.54センチ)あるイメージセンサーです。
そして一般的なスマートフォンに搭載されているのがそれよりも小さな1/3インチセンサーなどがあります。
こうやって見てみるとフルサイズセンサーの大きさが際立っていますよね。
一般的なスマートフォンに搭載されている1/3インチセンサーとフルサイズセンサーでは約50倍も大きいことがわかります。
では実際にイメージセンサーサイズが違うことでいったいどのような変化があるのでしょうか?
イメージセンサーが大きいほど画質が良くなることは知ってるけど、具体的にどのぐらい違いが出るのかわからない…
そんな疑問に本記事ではレンズ交換式カメラで採用されている「フルサイズ」と「APS-Cサイズ」を比較しながら、イメージセンサーの大きさで違いが出る5つのポイントを紹介します。
- 画角の違い
- ボケの違い
- 高感度耐性の違い
- 対応レンズの違い
- 機材の大きさの違い
ということで「イメージセンサーサイズによって違いが出る5つのポイント」を順番に解説していきます。
フルサイズとAPS-Cの違い①「画角の違い」
フルサイズとAPS-Cサイズでは同じ焦点距離で撮影しても写せる範囲が違います。
フルサイズ 焦点距離50mmの画角
APS-Cサイズ 焦点距離50mmの画角
上の2枚の写真は同じ焦点距離50mmをフルサイズとAPS-Cサイズで撮影したものですが、くらべてみるとAPS-Cサイズの方が建造物が大きく写っていることがわかります。
APS-Cサイズはフルサイズよりひと回り小さなセンサーということで、フルサイズのちょうど真ん中を切り取ったように写る範囲が狭くなります。
APS-Cサイズは写る範囲が狭くなるということですが、言い換えれば「APS-Cサイズは被写体をより大きく写すことができる」ということになります。
たとえば焦点距離300mmの望遠レンズをフルサイズで撮影すればそのまま300mmの画角ですが、APS-Cサイズで撮影すると450mm相当まで被写体を大きす撮影することができます。
フルサイズ換算とは?
焦点距離と画角の関係は24mmは広角・50mmは標準・200mmは望遠といった感じで、35mmフィルム時代から慣れ親しんだもの。
35mmフィルムと同等サイズとなるフルサイズを基準としているのでフルサイズ換算をすることでセンサーサイズが違っても画角が瞬時に導き出せるようにしています。
- APS-Cサイズは1.5倍(キヤノンは1.6倍)
- マイクロフォーサーズは2倍
- 1インチセンサーは2.7倍
焦点距離に上記に数字をかけてやることで画角を導き出すのがフルサイズ換算なのです。
焦点距離に1.5倍して変わるのは「画角」であって焦点距離は変化しません。たまに「APS-Cサイズは焦点距離が伸びる」といった勘違いした人もいますが焦点距離は動きません。なのでフルサイズ換算した画角は450mm“相当”という表記になるのです。
APS-Cサイズはフルサイズの真ん中をクロップしたようなもの。
フルサイズよりもAPS-Cサイズの方が被写体が大きく写るので、同じ望遠レンズを使ってもAPS-Cサイズの方がより望遠効果が得られる。
フルサイズとAPS-Cの違い②「ボケの違い」
センサーサイズが大きいとよりボケの量が得られます。
フルサイズ F4.0
APS-Cサイズ F4.0
画角・絞り値ともに同じ設定ではありますがAPS-Cサイズよりもフルサイズがよくボケます。
ボケ量 多
ボケ量 少
ではなぜ、同じ画角なのにフルサイズの方がよくボケるのか?
先ほど「画角の違い」でも書きましたが、センサーサイズが違うことで画角が変化します。
フルサイズとAPS-Cサイズで同じ画角にするために、それぞれ異なる焦点距離で撮影していいるのでボケ量にも違いが出るということです。
フルサイズの焦点距離50mmの画角はAPS-Cサイズでは焦点距離35mmにするとほぼ同等の画角になります。
ボケ量というのは「焦点距離が長い方に多く出る」特性があるので、同じ画角でもフルサイズの方が焦点距離が長くなるのでよりボケの量が多くなるということです。
もう一度、この写真で解説すると。
APS-Cサイズよりフルサイズの方が写る範囲が広いですよね?
フルサイズでAPS-Cと同じ画角を撮るとなると望遠することで同じ画角になります。
「望遠 = よりボケる」なので同じ画角でもフルサイズの方がボケた写真が撮影しやすいということです。
フルサイズの方がボケる秘密は「APS-Cサイズよりもフルサイズの方が望遠で撮影しているから」なんです。
同じ画角でもフルサイズの方が焦点距離が長くなるのでよりボケることになる。
立体感を感じられる写真を撮るならフルサイズが有利。
フルサイズとAPS-Cの違い③「高感度耐性の違い」
高感度耐性はセンサーサイズに比例するのでフルサイズに軍配!
と言いたいところなんですが、APS-Cサイズの高感度耐性もなかなか侮れないのが正直なところ。
センサーサイズの面積が広いフルサイズの方がAPS-Cサイズよりも高感度が強いことに間違いはありませんが、最近のAPS-Cサイズも非常に高感度に強いカメラが出てきています。
高感度に強いとは「ISO感度を高く設定してもノイズによる画質の劣化が少ない」ということです。光量が足りない室内や夜間の撮影では、画質を気にすることなくISO感度を上げられるのでシャッタースピードをかせぎやすくなり露出設定の自由度が上がります。
フルサイズ(ニコンD750)ISO6400
APS-Cサイズ(ニコンD5600)ISO6400
この差、わからないですよね?
ほんのわずかではあるものの、フルサイズの方がぬいぐるみの毛のディテールがありますがブログにあげるサイズではほとんど差は見受けられません。
APS-Cサイズでも十分なほど高感度に強いことがわかります。
とここで、覚えておきたい知識として「画素数」というものがあります。
画素というのは画面を構成する色の1粒のことで、画素の粒が多いければ多いほど解像度の高い写真が撮影できます。
イメージセンサーはこの画素の粒の集合体で1,000万画素から多いもので4,000万画素を超えるセンサーもあります。
画素数が多いほどより高精細で解像度の高い写真が撮れるのですが「画素数が多いほど高感度に弱くなる性質」があることに注意しましょう。
では、下の2枚の図を見てください。
イメージセンサーの画素数を図にしてみました。
高画素であるイメージセンサーのマスの目は細かいですが、画素数が少ない方が1マスが大きいですよね。
マスが大きいほど光を受け止める面積が広くなり、結果的に高感度に対する耐性が強くなるということです。
画素数が多いければ良いとは言い切れないんですよね。
最近のビギナー向けカメラでも2,400万画素程度あるので解像度としては十分すぎるほどに有しております。
高画素モデルである4,000万画素を超えるカメラは1枚あたりのデータ量も巨大になるのでパソコンのハードディスクを圧迫するし、Ligthroomなどの現像での処理でもたついてしまいます。
高画素カメラは扱いに慣れが必要なのでビギナーにはあまりおすすめしません。
センサー面積が広いフルサイズの方が高感度に強いことは変わりないが、APS-Cサイズも高感度耐性はなかなか健闘している。
「高画素イコールキレイな写真が撮れる」とは限らない。
>>高画素だからと言ってキレイな写真が撮れるとは限らない! カメラに適した画素数とは
フルサイズとAPS-Cの違い④「対応レンズの違い」
センサーサイズが違うことで交換レンズに「使えるもの」「使えないもの」が出てきます。
これはレンズの「イメージサークル」がセンサーサイズに合わせて設計されているので、イメージサークルがセンサー全体に結像しないといったカメラとレンズが対応しないこともあります。
端的にいうと「APS-Cサイズ専用のレンズ」は「フルサイズセンサー」には使えないということです。
上の写真のようにAPS-Cサイズ専用のレンズをフルサイズセンサーのカメラで撮影してみると、イメージサークルがセンサーより小さいので四隅まで結像しません。
APS-Cサイズ専用レンズは「小型軽量・リーズナブル」を重点に設計されており、フルサイズほどの大きなイメージサークルを必要としないのでAPS-Cサイズのセンサーに最適化されたレンズなのです。
逆のパターンで、フルサイズ対応レンズをAPS-Cサイズのカメラで使用することはできます。
APS-Cサイズのカメラからはじめて将来はフルサイズへステップアップを考えているなら、レンズだけフルサイズ対応のものを揃えておくのもありです。
>>ニコンDXユーザーの将来フルサイズ移行に向けた無駄のない買うべきレンズ
各メーカー、対応レンズの名称が違うので表にしてみました。
メーカー名 | フルサイズ対応 | APS-Cサイズ専用 |
キヤノン | EFマウント | EF-Sマウント |
ニコン | FXフォーマット | DXフォーマット |
ソニー | 35mmフルサイズ | APS-Cフォーマット |
※キヤノン、ニコンは一眼レフカメラの表記です。
※キヤノンはフルサイズのカメラにAPS-Cサイズのレンズは物理的に装着できません。
APS-Cサイズ専用レンズはセンサーサイズに合わせた設計なのでイメージサークが小さく、フルサイズセンサーのカメラでは使用できない。
フルサイズとAPS-Cの違い⑤「機材の大きさの違い」
センサーサイズが違うとそれにともなってシャッターユニットやファインダーのプリズムなども大きくする必要があるので、フルサイズはカメラボディとレンズも大きく重量も増してしまいます。
APS-Cサイズのカメラは「小型軽量・リーズナブル」に注力したカメラが多いですが、フルサイズはどちらかというと「上級者・プロ向け」に作られています。
- APS-Cサイズ…「小型軽量・リーズナブル」
- フルサイズ…「上級者・プロ向け」
プロカメラマンは過酷な環境下でも確実にシャッターが切れる信頼性のあるカメラが必要です。
フルサイズカメラのボディーにはマグネシウム合金と呼ばれる金属がふんだんに使われたり、防塵防滴仕様であらゆるパーツの継ぎ目にシーリングが施されています。
フルサイズのカメラを手に取ってみると「金属のずっしりした重さ」を感じると思います。
決してAPS-Cサイズのカメラがチープで壊れやすいということではありません。
APS-Cサイズのカメラはフルサイズセンサーよりも小さなセンサーの利点を最大限に活かすよう、フットワークの軽い「携行性に優れる」カメラに仕上がっています。
レンズの大きさ重さも違ってくる
先ほど「イメージサークル」のお話が出ましたが、フルサイズセンサーに合わせて広い範囲のイメージサークルが必要です。
そのため、フルサイズ対応レンズは大きく重たくなってしまいます。
上の2つのレンズはほぼ同じ画角で撮影できるレンズですが、大きさの違いは一目瞭然ですよね。
カメラとレンズを足した重量差は約600gで500mlペットボトル1本分以上の重さに違いが出ます。
※ニコンD750とAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRが約1,305g。ニコンD6500とAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRが約670g
センサーサイズが大きくなるとカメラ・レンズが大きく重くなりがち。それに加えて機材の価格も高騰する。
センサーサイズで差が出る5つのポイント まとめ
今回は「フルサイズとAPS-Cサイズの違いとは? センサーサイズで差が出る5つのポイント」について書きました。
フルサイズ | APS-Cサイズ | |
画角の違い | 広く写る | 狭く写る(望遠ぎみ) |
ボケの違い | ボケが多い | ボケが少ない |
高感度耐性 | 強い | なかなか強い |
対応レンズ | APS-Cレンズは使えない | フルサイズレンズも使える |
機材の大きさ | 大きく重い | 軽量コンパクト |
より表現力を豊かに描写を極めるならフルサイズ。軽快なフットワークで機動力抜群なAPS-Cサイズ。
それぞれの利点を理解しつつ、シーンに合わせてフルサイズがAPS-Cサイズを選択しましょう。