気づけば手持ちのレンズはDXフォーマット専用のものばかりだっ…。
DXフォーマットのカメラはFXフォーマット対応のレンズを使うことができますが、その逆のFXフォーマットのカメラではDXフォーマット専用のレンズは使うことができません。
カメラを始めたばかりの頃はDXやFXやらフォーマットの違いなんて、まだ理解できてないはず。
たいていの人はDXフォーマットの比較的安価なカメラを購入して一眼レフデビューをすると思うのですが、レンズを購入するときもこれまた安価なDXフォーマット専用レンズを買うと思います。
この先、ずーっとDXフォーマットのカメラを使い続けるならいいですよ。DXと心中する覚悟があるなら。
でも、ある一線を超えて一眼レフにハマってしまうと、絶対にフルサイズ(FXフォーマット)が気になってきます。
そろえてきたレンズがDXフォーマット専用のレンズばかりだと、いざFXフォーマットのカメラに買い換えた時に、気づけば手持ちのレンズはDX専用のものばかりだっ…。って状態に陥り、これまで築き上げてきたレンズ資産がまったく使い物にならなくなってしまいます。
将来FXフォーマットの移行を考えているならば、どの焦点域のレンズもすべてFXフォーマット対応のレンズを買うこと。
ということで、将来FXフォーマットへスムーズに無駄なく移行するための“DXフォーマットユーザーがオススメのレンズ”を紹介したいと思います。
将来FXフォーマット移行を考えた買うべきレンズとは?
おそらく初めて買った一眼レフはズームレンズがセットになったものを購入されると思います。カメラがあってもレンズがないと写真を撮ることができないですからね。
ニコン入門向け一眼レフ、D5600とD3400にセットで販売されているズームレンズはAF-P18-55VRというもので、焦点距離は18mmから55mmです。
このキットレンズを最初の1本目と想定した場合、欲しいレンズは標準域の明るい単焦点レンズ。被写体を印象的に写すポートレイト用の中望遠レンズか同じ焦点距離のマクロレンズ。
そして焦点距離が足りない部分を補足する55mm以降の望遠レンズと18mm以下の広角レンズです。
ざっとまとめるとこんな感じ
- 標準域の単焦点レンズ
- 中望遠の単焦点レンズorマクロレンズ
- 望遠ズームレンズ
- 広角ズームレンズ
上記の4本さえそろえておけばキットレンズと合わせて当分の間レンズに困ることは無いでしょう。ほとんどの被写体を撮ることができます。
今回の重要ポイントは将来FXフォーマットへ移行を考えたものなので、FXフォーマットのカメラでも使えるレンズでそろえていきましょう!
焦点距離と画角の違いでの注意点
イメージセンサーのサイズが異なるDXフォーマットとFXフォーマットでは同じレンズを使っても写る範囲がそれぞれで違います。
DXフォーマットのイメージセンサーはFXフォーマットと比較してみると図のようにひと回り小さくなります。
写る範囲が狭くなる = 望遠側へシフトするということです。
ということは同じ焦点距離のレンズを使用してもDXフォーマットのカメラでは写る範囲が狭くなるということです。
どのぐらい狭くなるのかは計算式で導くとこができ、これを『フルサイズ換算』と言います。
焦点距離 × 1.5 = DXフォーマットの画角
焦点距離50mmのレンズをDXフォーマットのカメラで撮影すると写る画角が1.5倍した75mm相当の画角になるということです。
上記の 『フルサイズ換算』を元にレンズを選んでいきましょう。
標準域の単焦点レンズ
一眼レフを始めたカメラ初心者の方たちはキットレンズに飽き足らず「もっと背景をボカしたい」という撮影欲が最初に出てくると思います。
キットレンズでも工夫次第で十分に背景をボカした写真が撮れますが、開放F値が小さな単焦点レンズを使えば簡単に背景をボカすことができます。
単焦点レンズとは、その名の通り焦点距離が固定されています。
ズームズレンズのように焦点距離が可変出来ないので一見不便のように思いますが、ズームレンズには成しえない、まったくの別次元のボケが味わえます。
自分のカメラの腕前が上手くなったかと錯覚するような写真が撮れます。
それもそのはずで、焦点距離にあわせて最適化されたレンズ設計ですからズームレンズが勝てるわけがありません。
ということで、キットレンズを卒業して2本目に選ぶのは標準域の単焦点レンズを推奨します!
AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
まずは王道となるのはこの35mmです。DXフォーマットでの使用時は換算52.5mm相当になります。世間一般的に標準といわれる50mmに近い画角ですね。
DXフォーマットでは標準域、FXフォーマットに移行すれば少し広めのオールラウンダーな画角となります。
同じ焦点距離で安価なDX専用レンズであるAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gがありますが、FXフォーマットを見据えてという事なので今回は割愛させていただきます。
AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
DXフォーマットでは換算42mm相当になります。
さきほどの換算52.5mmでは少し画角が狭いと感じる人にオススメですね。自分もそうだったので2本目に購入したレンズはこの28mmです。
FXフォーマットだと28mmとなり、画角はiphoneのカメラとほぼ同等の画角なので、なにも考えないで力を抜いたスナップ撮影とか、気軽に楽しめる画角です。僕のイチオシ!
中望遠の単焦点レンズ
標準域が決まったら次は焦点距離が少し長い(標準よりも画角が狭い)中望遠の単焦点レンズを見ていきましょう。標準域のレンズよりも、より背景がボケやすくなるので被写体を際立たせたいポートレイトなど被写体がしっかり決まっているときに有効なレンズです。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
フルサイズ換算で75mm相当になります。
このレンズはニコンの”撒き餌レンズ”とも言われていて、安価ながら非常によい写りをしてくれます。そしてコンパクトで軽い約185g!
でも弱点があります。
それは被写体に寄るのが少々苦手。
最短撮影距離0.45mなのでDXフォーマットで中望遠として使うのであれば、そこまで気になる事ではないんですがFXフォーマットで標準レンズとして使うと「もうちょっと寄りたい」場面が出てくるんですよね。最短撮影距離が0.45mmだとちょっと近寄れないんです。非常にもったいない。
それでも安くてコンパクトで写りも良いので十分オススメです。
おなじ画角でAF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gもありますが、こっちはどうしてもF値1.4が必要な人向け。
実際にF値1.4って扱うのとても難しいですよ。じゃじゃ馬です。
しかもオートフォーカスが遅いです。
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
ここで少し変化球。60mmのマイクロレンズってのもアリだと思います。(ニコンではマクロのことを『マイクロ』と呼びます)
被写体に寄れない50mmの弱点を克服しつつ、オートフォーカスが爆速で逆光に強いと言われるナノクリスタルコーティングです。
DXフォーマットでは90mm相当となるのでマクロとして使いやすい画角になります。
難点を挙げるとすれば、単焦点の割には開放値がF2.8と他の単焦点レンズに比べて暗いこと。あとVR(手振れ補正)が非搭載なので接写での使用は三脚が欲しくなります。
望遠ズームレンズ
あと足りない画角は望遠域ですね。ここまで単焦点レンズを薦めてきましたが望遠レンズではズームタイプのレンズを紹介します。
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
誰もが恋い焦がれる大三元レンズの一つ。もうこの焦点域では敵なしですね。
強いていうなら重さがネック。
これが買うことができれば一つの終着点にたどり着いたもんです。
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
ステッピングモーターを採用したことによって爆速のオートフォーカスを誇ります。
旧品で指摘されていた望遠側の描写の甘さも改善されているようなので僕も注目しているレンズです。DX使用時で換算450mmまでカバーできるもの魅力的ですね。
AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR
望遠ズームの部類ではないではないのですがFX移行した後に便利ズームとして使えるので、こういうレンズも選択肢に入れてもいいと思います。
広角ズームレンズ
広角レンズは他のレンズとは違いDXフォーマットのカメラとFXフォーマットのカメラ両方で『広角レンズ』として使えるレンズがありません。
なぜなら冒頭で説明したフルサイズ換算を思い出していただければわかると思います。
ニコンFXフォーマットに対応する広角ズームレンズのラインナップを見てみると、焦点距離が14mm以降のレンズしかありません。
これをDXフォーマットのカメラで使うと14mm×1.5で換算21mmの画角になり、あんまり広角が得られないんですよね。
広角ズームレンズに関してはDX専用のレンズを買うしかありません。
このレンズはAF-Pレンズなので爆速のオートフォーカスを装備し比較的安価な広角レンズでオススメです。
DXフォーマット専用広角ズームレンズはこちらの記事で紹介しております。あわせてどうぞ。
FXフォーマット移行に向けた買うべきレンズ まとめ
ここまでそろえれば大抵のものは撮影できるはずですね。
- FX移行した時に標準域の単焦点レンズが広角へ
- 中望遠の単焦点レンズが標準域へ
どうでしょうか? 無駄のないレンズ選びだと思います。
ということでDXユーザーが将来フルサイズ移行を考えた揃えるべきレンズのまとめと行きます。
DX:標準単焦点レンズ → FX:広角単焦点レンズ
DX:中望遠単焦点レンズ → FX:標準単焦点レンズ
DX FXともに望遠レンズとして使用
DX:望遠レンズ → FX:便利ズームレンズ
広角レンズはDXフォーマット専用で安価なものがおすすめ
あとは大好きな画角ができたのなら、その画角の単焦点レンズを買ってあげればいいです。
あ〜、無駄にレンズやカメラをあさりまくって遠回りをしていた過去の自分に教えてあげたい・・・(笑)
カメラってこだわると奥が深いですねぇ
コメントありがとうございます。
超深いですね。答えがないです。
人それぞれに撮影のスタイル、レンズ選びの正解があるので一概にこのレンズたちをを勧めても不正解かもしれませんからね。