どうも、一眼レフ&ミラーレスで我が子の写真と動画を撮りまくっている、へちま(@hechima_papa)です。
一眼レフカメラでの動画撮影ってのはビデオカメラのように簡単には撮影できません。僕的に難しいと思う理由は以下の3点。
- ピントあわせが超シビア
- 動画がなめらかじゃない
- 音がキレイに撮れない
そもそも一眼レフカメラは静止画撮影に特化した道具なので動画撮影はおまけ程度な機能です。
ですが上手くいかない一眼レフ動画撮影もコツさえつかめば意外と簡単に撮影ができちゃいます。
結論になりますが、上記にあげた難しい3つの問題を解決するには
- ピント合わせ → 被写界深度を深くする
- 滑らかな動画 → シャッタースピードを遅くする
- 音をきれいに撮る → 外部マイク
というのをやってやれば改善されます。
それでは順に解説していきましょう。
① ピント合わせのコツ「絞って広角撮影」
一眼レフ動画の1番の難題がピントあわせ。
動画撮影をメインとするビデオカメラと比較して一眼レフカメラでのピント合わせが超が付くぐらい難しい。
この難しいピント合わせはのコツは、ピントが合う面を極力多くするためにおもいっきり絞ることと、広角気味で撮ることで簡単になります。
- おもいっきり絞る
- 広角気味で撮る
「おもいっきり絞る」と「広角気味で撮る」ことでピントがある前後の範囲「被写界深度」の範囲が深くなるのでピント合わせが楽になります。
被写界深度とはピント(焦点)が合っているように見える距離の範囲のこと。
一眼レフカメラはビデオカメラよりも搭載されたイメージセンサーが巨大なので被写界深度が非常に浅いカメラです。
被写界深度が浅いとピントが合う範囲が狭くボケやすく、逆に被写界深度が深いとピントが合う範囲が広く全体的にピントがあった状態になります。
一眼レフでは全体的にピントがあった状態にすれば動画撮影が楽になるので、被写界深度を深めにするため絞って広角撮影をするのがコツです。
- 被写界深度深い・絞る・広角→ピントがあわせやすい
- 被写界深度浅い・開放・望遠→ピントがあわせづらい
② 動画をなめらかにするコツ「シャッタースピードを遅く!」
動画というものは「残像が連続して繋がった動画」です。
いっさい残像のないピタッと止まった静止画を繋げた動画はどこか不自然なパカパカした動画になってしまいます。
この不自然なパカパカを抑えるには、わざとシャッタースピードを遅めに設定して残像が出るぐらいで動画撮影をします。
- わざと残像が残るぐらいの遅めのシャッタースピードで撮影する。
動画というのものは1秒間に30枚の画をつなげて動きがあるようにみせています。
この1枚1枚の画に残像がないとなめらかに見えずパタパタしたような動画になってしまい、とくに大きな動きのあるものを撮影したときに目立ってしまいます。
普段の写真撮影では被写体がブレないようにシャッタースピードを速めに設定して撮影をしますよね。
静止画を撮る設定のまま動画を撮るとシャッタースピードが速すぎて、残像の無い画のつながりになり、パタパタカタカタと不自然な動きになってしまいます。
シャッタースピードを1/60より遅くする
静止画(写真)は基本的に被写体ブレを防ぐためにシャッタスピードを速くしますが、逆にビデオカメラはわざと残像を出して1枚1枚の画がなめらかにつながるようにするため、シャッタースピードが遅めに設定されています。
動画撮影の適したシャッタースピードは1/30〜1/60あたりです。
時にはNDフィルターが必要
動画をなめらかに撮るためにシャッタースピードを遅く設定しますが、晴天の屋外ではシャッタースピード1/60以下では露光時間が長すぎて露出オーバーになって動画が真っ白になってしまいます。
ISO感度を下げても露出を抑え切ることができなくなる場面もあります。
そこでレンズの前にサングラスのような役割のNDフィルターを装着して余計な光量をカットしてやります。
NDフィルターはレンズから入射する光の量をコントロールできるフィルターです。「ND8」の表示の8の部分は光の量を1/8に減らすという意味です。
NDフィルターを装着してシャッタースピードを遅くしたことで余計な光量をカットして露出オーバーを防ぎます。
- 遅いシャッタースピードで露出オーバーするときはNDフィルターで露出を抑える。
ですがぶっちゃけた話、本格的な撮影でない限りNDフィルターはいらないかと僕は思ったりもします。
写真撮ってる最中に動画撮るからわざわざNDフィルターをレンズの前にねじ込むなんて面倒くさいです。
しかもレンズの口径によってフィルターサイズもまちまちなので、レンズに合わせてNDフィルターをそろえなくてもいけないし。
そこまで本腰を入れて動画を撮影しないのであれば露出オーバーにならないぐらいでシャッタースピードを遅めがベターかと思います。
③ 一眼レフでキレイな音を撮るには
一眼レフカメラの内蔵マイクは間にあわせ程度のものなので、あんまりいいものではありません。
そもそも静止画を撮る専門の機材なのでそこまで内蔵マイクに力が入ってないんですよね。
内蔵マイクで困るのはカメラ自身が発する音をめちゃくちゃ拾ってしまうのと、風が吹いた時のゴボボボボー!って音も拾ってしまいます。
風を音を拾わせたくなければマイクに毛がついたモフモフ(風防)が付けられる外部マイクの使用をオススメ。
余計なカメラ作動音を完全にシャットアウトできるものではありませんが、カメラ内蔵のマイクよりも風の音を防げます。
一眼レフによっては外部マイクを接続することができないものがあるので事前に確認をしておきましょう。
ちなみにニコンD3000シリーズのカメラに外部マイクを接続する端子がないので使うことができません。
ステッピングモーター搭載AFならフォーカス駆動音がほぼ無音
Nikon 標準ズームレンズ AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR ニコンDXフォーマット専用
ミラーレスカメラではもう当たり前となっているステッピングモーターでAF駆動するレンズですが、最近のニコンでは一眼レフ用のレンズにも徐々に採用されてきております。
ステッピングモーターの特徴は何と言っても爆速のオートフォーカス & 駆動音がほぼ無音
レンズの駆動音って結構ひろってしまいます。
耳では聞こえてなくてもカメラ内蔵マイクだと、レンズとカメラ本体がつながっているのでボディの振動が伝わりマイクが駆動音を拾ってしまいます。
ステッピングモーター採用レンズはパルス信号でピントレンズを動かすモーターで、構造がシンプルで駆動音が極めて静かなのが特徴。
合焦速度も高速なので動画撮影にとても有効なレンズとなります。
一眼レフカメラでの動画設定
ということで実際に一眼レフカメラでどのような設定で動画を撮るのが良いか説明します。
露出モードは絞り優先オート(A)
露出設定で気をつける点は、
- シャッタースピードを1/60〜1/30
- 絞りを極力絞る(f11ほど)
- ISO感度はオートで対応
露出モードは絞り優先オート(A)にして絞りをコントロールしながらシャッタースピードが速くなりすぎないようにします。
露出モードをマニュアルにして絞りとシャッタースピードを設定する方法もありますが、これでは露出の融通がきくのがISO感度だけになってしまいます。
屋外撮影での急激に変化する光量に対応しきれず露出を外してしまうので、露出の融通がきく絞り優先オートで撮影することをおすすめします。
絞り値 | シャッタースピード | ISO感度 | |
絞り優先オート | マニュアル | オート | オート |
シャッタースピード優先 | オート | マニュアル | オート |
マニュアル露出 | マニュアル | マニュアル | オート |
※ISO感度オート設定にしておきましょう
シャッタースピード優先オート(S)もありますがこちらも絞り値の融通が狭いのでおすすめしません。
露出設定は「絞り優先オート(A)」動画撮影をしましょう。
そして動画撮影中はあまり絞り値をいじらないこと。
撮影中に絞り値をいじると絞りの動作音をマイクがひろってしまうので、撮影開始前に適切な絞り値に設定しておきましょう。
カメラによってはパワー絞りという無段階に絞り羽を動かす機能があるので、どうしても撮影中に絞りを動かすならパワー絞りを使ってみると良いです。
レンズは手振れ補正があるものを使う
手ぶれを抑えてくれる手振れ補正がついたレンズを使いましょう。
動画は静止画にくらべて手ブレに敏感。
静止画はシャッタースピードを速めれば被写体の動きはブレを抑えられますが、動画ではそうはいきません。
ビデオカメラは手ブレ補正機能に力を入れているカメラが多いですが、静止画専門である一眼カメラはビデオカメラほどの手ブレ補正を備えておりません。
手ブレ補正が装備されているレンズを使って極力手ブレを抑えれば動画の出来栄えが数段アップします。
一眼レフ動画 まとめ
今回は「撮影が難しい一眼レフ動画のコツ」について書きました。
- ピント合わせが難しいので被写界深度を深くするべく極力絞る(f11以上)。
- 望遠になるともっとピント合わせが難しいので広角で撮る。
- パタパタした動画になるのを防ぐためシャッタスピードを遅くする。1/60より遅く。
- 以上の露出設定でも白飛びするときはNDフィルターで露出を抑える。
- 音にこだわるなら外付けマイクは必須。
以上が一眼レフで動画を撮るコツになります!