30代の人にとって「写ルンです」は青春時代の思い出そのもの。
友達同士で撮りあった学校生活、修学旅行や卒業旅行、中学〜高校時代の頃に撮った写真は写ルンですで撮影したものばかりなはずです。
昔はデジカメなんて高級でしたからね。
そんなFUJIFILMの使いきりカメラ「写ルンです」のレンズをそのまま現代のミラーレスカメラ用のレンズに移植したレンズ「GIZMON Utulens」
今回はニコンのフルサイズミラーレスZ6でFUJIFILM写ルンですのノスタルジックで独特の世界が楽しめる「GIZMON Utulens」をレビューします。
FUJIFILM写ルンですのレンズを使用した「GIZMON Utulens」とは
GIZMON Utulens 写ルンですのレンズを再利用した単焦点レンズ (ニコンZマウント)
富士フィルムの使いきりカメラ写ルンですの写りがそのままに、現代のミラーレスカメラで撮影が楽しめるのがGIZMON Utulens(ギズモン ウツレンズ)というレンズです。
さまざまなカメラ関連のガジェットを販売する「ギズモショップ」から販売しており、アマゾンでもGIZMON Utulensの購入ができます。
「GIZMON Utulens」の「GIZMON」とはレンズメーカーの名称で「Utulens」とは写ルンですのレンズを使用したレンズ(焦点距離32mm)ということです。
Utulrens以外にも写ルンですのレンズを2枚合わせて画角を広角寄り(焦点距離17mm)に改造した「Wtulens」や、コダックスナップキッズのレンズを再利用した「Kodalens」もあります。
GIZMON Utulensは写ルンですのレンズをそのまま使用
GIZMON Utulensに使われているレンズは使い終わった「写ルンです」のレンズをそのままミラーレスカメラ用のマウントに移植されたもの。
焦点距離は32mm 絞り値F16でともに固定
写ルンですそのもののレンズを使用しているのでアナログ的でノスタルジックな風合いがミラーレスカメラで簡単に楽しめます。
7種類のマウントに合わせたラインナップ
GIZMON Utulensは各社ミラーレスカメラのマウント形状に合わせたレンズがラインナップされており、すべてアマゾンで購入できます。
ニコンZマウント対応はアマゾンで7千円弱で購入しました。
残念ながらUtulensには一眼レフカメラに対応したものがありません。一眼レフカメラでも写ルンですに似たような写りが楽しめるレンズがあるようで、調べてみるとHOLGAレンズというものがありました。
写ルンです「GIZMON Utulens」の外観レビュー
GIZMON Utulensはおしゃれな茶筒のような容器に詰められて届きました。
今回はニコンZ6に合わせて購入したのでパッケージには「NIKON Z」にチェックが入っております。
GIZMON Utulensの内容品
- レンズユニット
- ミラーレスマウント
- スキンシール
- レンズポーチ
- 調整用L型レンチ
- 日本語マニュアル
レンズユニット
こちらがメインである「写ルンです」のレンズが移植されたレンズユニット。中心に収められた小さなレンズの焦点距離は32mm。
レンズの裏側に1mm強の穴が開けられておりこれが絞りの役割を果たしています。絞り値はF16固定。
レンズユニット自体の素材はプラスチック製。
ミラーレスマウント
そしてこちらがカメラマウントに取り付ける「ミラーレスマウント」
ミラーレスマウントは先ほどのレンズユニットとは違いひんやりとした重厚感ある金属製。
もちろんマウントの形状はニコンZマウントに合わせた形状になっています。
ミラーレスマウントの内側にネジ切りがされており「レンズユニット」をぐるぐる回して取り付けて1つのレンズとなります。
レンズキャップ並みに薄くて小さい!
レンズユニットとミラーレスマウントをつなぐネジ切りは実は「L39マウント」と呼ばれるれっきとしたマウント。
L39マウントであるレンズユニットとニコンZ6をつなぐために「L39 → Zマウント」に変換するのがミラーレスマウントの役割なんですね。
スキンシール
レンズユニットの前面を飾る4種のスキンシールが同封。
レンズポーチ
持ち運びにはありがたいレンズポーチ付き。GIZMON Utulensがすっぽりおさまります。
調整用L型レンチ
レンズユニットの角度が変えられるレンチのようですが「角度の調整って意味あるの?」といった感じ。スキンシールを貼って角度が気になる時だけに使うものなのか、僕的には使い道がなさそうに思います。
日本語マニュアル
日本語のマニュアルとギズモショップのカタログも入っておりました。
GIZMON Utulensのスペック
GIZMON Utulens 写ルンですのレンズを再利用した単焦点レンズ (ニコンZマウント)
レンズ名 | GIZMON Utulens |
---|---|
焦点距離 | 単焦点 f=32mm |
絞り | F16 固定 |
フォーカスレンジ | 1m 〜 ∞ |
サイズ | 縦60mm 横15mm |
重量 | 約46グラム |
単焦点レンズなのでもちろん焦点距離は32mm固定。そして絞り値もF16に完全固定されています。
そしてGIZMON Utulensにはピントを合わせるフォーカスリングがありません。
写ルンですのレンズってカメラから1m以上離れた被写体すべてにピントが合う仕組みなのでカメラと被写体1m離れる必要がありましたが、GIZMON Utulensはレンズユニットのネジを緩めることで 最短撮影距離が短くなり近い被写体も撮影できるようになっています。
撮影に集中してネジを緩めすぎるとレンズユニットが脱落するので気をつけてね!
ピント合わせをもっと快適にする方法で「ヘリコイド付きアダプター」でUtulensを使ってみた記事もあるのでこちらもどうぞ!
写ルンです「GIZMON Utulens」の実写レビュー
ということでニコンフルサイズミラーレスカメラZ6にGIZMON Utulensを取り付けて実写レビューしてきました。
実際にカメラに取り付けて見てもレンズキャップと見間違えるほど改めて薄いレンズだと感じます。
GIZMON Utulensは電子接点を有しないレンズなのでカメラによっては「レンズ未装着」でそのままではシャッターがきれない場合があります。カメラ側の設定で「レンズなしレリーズON」にしましょう。
ちなみにニコンZは設定する必要無くそのままの状態で使用できました。
ニコンZ6に取り付けて実写してきました
近くの公園で撮影をしてきたのですがレンズの仕様上ピントが合う範囲がカメラから1m以上。写ルンですも近い被写体が撮れなかったことが思い出されます。
最新のレンズは最短撮影距離30mmといったものが多い中、焦点距離32mmで画角が広いわりに1mm以上離れないとピンボケを起こすGIZMON Utulensは結構使いづらいレンズ。
わざと露出をオーバーに外してみると一層「写ルンです」感が出たりします。
薄暗い室内でもフルサイズミラーレスなんでガンガンISO感度あげて撮影できました。これが写ルンですだと真っ暗なシチュエーションですからね。
という感じで今回撮影したのはここまで。
意外に思ったのが「想像よりよく写るレンズ」ってのが第一印象。
今回撮影した天気にも左右されたと思いますが描写が暴れることなく手堅く写るレンズだと思いました。さすがに最新のレンズにくらべると解像度は無いし周辺部は全然ダメだけど、期待していた以上に写ってくれました。
また太陽をガッツリ入れると面白いのが撮れるかもしれませんね。これは次回のお楽しみしておきましょう。
写ルンです「GIZMON Utulens」レビューまとめ
ということで今回はFUJIFILM 写ルンですのレンズをそのまま使用した「GIZMON Utulens」の実写レビューでした。
GIZMON Utulensはどちらかというと実用レンズよりも半分ネタレンズ。描写性能は現代の最新レンズとは足下にも及びません。
ですが“写ルンです”で撮影してきた世代からすると「当時の写真がミラーレスで蘇るレンズ」って買わないわけにはいかないでしょう。本物の写ルンですだとフィルムなので撮影枚数が限られているしISO感度も変えられないし。
ミラーレスカメラをお持ちならこういった変わり種レンズで遊んでみてはどうですか?