どうも、マイカメラを自分仕様にカスタマイズすることにハマっている、へちま(@hechima_papa)です。
左親指を使ってオートフォーカスを駆動させる「親指AF」って言葉聞いたことありますか?
カメラによっては「AF-ON」ボタンが有ったり無かったりしますが、このボタンを使ってオートフォーカスを駆動させることを通称「親指AF」と言います。
『シャッターボタン半押しでオートフォーカス動くから必要ないよね?』と疑問をお持ちのあなた。
あなたは2つのオートフォーカスモードの選択で迷った事がありません?
- シングルAFサーボ(AF-S)
- コンティニュアンスAFサーボ(AF-C)
シングルAFサーボは「AF-S」はピピっとなってピントを合わせてくれるモードで、被写体にピントが合えばそこからフォーカスが動く事がありません。デフォルトではこのAF-Sモードに設定してあると思います。
対して、コンティニュアンスAFサーボ「AF-C」は主にスポーツなど被写体が常に動いている時に有効なモードで、ピントが常に被写体を追いかけてくれるAFモードです。
常時ピントを合わせ続けるAF-C(コンティニュアンスAFサーボ)ですが、これではピントを合わせてから構図を決める「置きピン撮影」ができません。
なぜならAF-C(コンティニュアンスAFサーボ)だとシャッターボタンを押すとまたピントが動いちゃうから。
被写体にピントを合わせて構図を決めてシャッター切っても、シャッターボタンを押すとまたピントが動いてしまう。
いちどAF-S(シングルAFサーボ)に設定を変更すればで置きピンに対応ができますが、動き回る被写体にはAF-C(コンティニュアンスAFサーボ)が有効なのでわざわざ設定を戻すのもも面倒くさい…。
シャッターチャンスを逃す可能性もある。
AFサーボをオートで切り替えるAF-Aなんて論外だし……。
と、このような悩ましい問題に「親指AF」をカメラに設定してあげれば、AF-S AF-Cの2種類のAFモードの切り替えが楽になる便利なものなんです!
親指AFにする意味(メリット)
親指AFにする事で得られるメリットというのが、AFモードの切り替えが不要で常時AF-SとAF-Cが使えるということです。
通常、シャッター半押しでオートフォーカスが駆動しますがこれを「無効」にし、左親指付近にある「AF-ON」のボタンでオートフォーカスを駆動するように設定をします。
シャッターボタンはシャッターを切るだけのボタンにしてしまい、オートフォーカスは親指のボタンで駆動させピント合わせをするということです。
- シャッターボタンをシャッターを切ることのみ(半押しAFを無効)
- 親指ボタンでオートフォーカスを駆動
そしてAFモードをコンティニュアンスAFサーボ(AF-C)に設定します。
こうすることでAFモードの設定を切り替えることなく常時、AF-S・AF-CそしてMF(マニュアルフォーカス)の3つのフォーカスモードが使えるようになります。
シャッター半押しのオートフォーカスを無効にし、別途で左親指ボタンにオートフォーカスを仕込むことで3つのフォーカスモードをスムーズに使い分けることができます。
親指AFを設定することで得られるメリットをもう少し詳しく解説していきます。
親指AFの利点①「AFモードの切り替えが不要」
親指AFを使えばコンティニュアンスAFサーボ(AF-C)の状態でもシングルAFサーボ(AF-S)と同等のAF挙動にすることができます。
AFモードというのはシングルAFサーボ(AF-S)とコンティニュアンスAFサーボ(AF-C)の2種のこと。
常にAFが動いてしまうコンティニュアンスAFサーボ(AF-C)ですがシャッター半押しAFを無効にしているので、シャッターボタンを押してもAFは動きません。
AFが動くのは親指付近にある親指AFボタンです。
なのでシャッターを切る前に親指AFボタンを離せばAFが止まりピントを固定することができるのでシングルAFサーボ(AF-S)と同じ挙動になります。
すなわち、AF-S・AF-Cの切り替えが一切不要。
操作パターン | AFの挙動 |
AF-ONボタンを押しピント合わせたらボタンを離してシャッターを切る | 置きピンが可能。シングルAFサーボと同等 |
AF-ONボタンを押しながら被写体にピントを合わせ続けてシャッターを切る | コンティニュアンスAFサーボ |
AF-ONを押さずに手動でピントを合わせてシャッターを切る | マニュアルフォーカス |
※ AF-ONというのが親指AFを割り当てたボタンのことです。
表のように親指AFを割り当てたAF-ONボタンとシャッターボタンの操作方法パターンでAF-S・AF-Cそしてマニュアルフォーカスが切り替え無しで行えます。
親指AFの利点② AF-Cでも置きピンができる
コンティニュアンスAFサーボ(AF-C)は動く被写体に常にピントを追いかけ続けることができるAFモードなので、合わせたピントを固定しておくことができません。
- コンティニュアンスAFサーボ(AF-C)は被写体を追いかけ続けるがピントを固定することができない。
だけど、親指AFではシャッター半押しAFを無効にしているのでいくらシャッターボタンを押してもオートフォーカスが動くことがありません。
オートフォーカスが動くのは親指AFボタンなので、親指AFボタンから指を離せば「ピントを置く」ことができるのでコンティニュアンスAFサーボ(AF-C)でも置きピンができるということです。
先ほど言った『AF-ONボタンを押しピント合わせたらボタンを離してシャッターを切る』の操作方法ですね。
置きピン解説
置きピンというのはあるポイントにピントを合わせておいて(ピントを置く)被写体がピントを合わせたポイントを通過するタイミングでシャッターをきるテクニックです。
オートフォーカスではピントを追いかけられない場面や、こちらに被写体が向かってくる撮影(鉄道撮影)などで効果がある撮影方法。
ブランコは前後に大きく動くのでどれだけ高性能なオートフォーカスを持つカメラでも被写体を的確に追いかけることができません。
そこであらかじめピントをあるポイントで固定しておいてシャッターを連写すれば、前後に動く被写体がピントを合わせたポイントを必ず通過するのでピントがあった写真が撮れるということです。
もう1つは被写体にピントを合わせてから構図を決める置きピンの使い方もあります。
上の写真は手前のレンズにピントが合っていますがフォーカスのポイントをポチポチ移動させてピントを合わせたのではなく、最初に真ん中に手前のレンズをフレーミングしてからピントを合わせています。
真ん中に被写体を持ってきてオートフォーカスでピントを合わせる。
構図を決めてシャッターを切る。
このように中央1点のフォーカスポイントをわざわざ十字キー等で移動する手間を省いて撮影する「置きピン」のやり方もあります。
AF-ONボタンの無いカメラでの「親指AF」の設定のしかた
僕が所持しているニコンZ 6には単独でオートフォーカスを動かせる「AF-ON」ボタンが左手親指付近にありますが、中にはこれが存在しないカメラがあります。
ニコン一眼レフカメラの入門機などには「AF-ON」ボタンは存在しませんよね。
僕が持っているニコンD750にも実は「AF-ON」ボタンがありません。
ニコンはD5やD850、D500ような上位機種にしかAF-ONが実装されてないんで、代用で別ボタンにAF-ONボタンを仕込む必要があります。
ニコンD750での親指AFの設定方法
ということで、親指に1番近いこの「AE-L/AF-Lボタン」にオートフォーカスをぶち込んでやりましょう!
では、親指AFの設定の仕方を説明していきます。
MENU > カスタムメニュー > f 操作 > f4 AE/AFロックボタンの機能
これで左手親指付近にある「AE/AFロックボタン」に「AF-ON」が入りました。
次に半押しAFレンズ駆動を無効にします。
MENU > カスタムメニュー > f 操作 > a6 半押しAFレンズ駆動
そして本来の役割であったAEロックをシャッターボタンに入れておきましょう。こうするとシャッター半押しでAE(写真の明るさ)を固定することができます。
必須設定ではありませんが僕はシャッターボタンにAEロックを入れております。
MENU > カスタムメニュー > c AEロック・タイマー > c1 半押しAEロック
以上で設定完了です。超カンタンっす。
他のニコン機(D5000シリーズやD3000シリーズなど)でも設定項目は同じ場所にあると思います。
親指AF まとめ
今回は「撮影が圧倒的に捗るプロ御用達の親指AF」について書きました。
コンティニュアンスAFサーボでも置きピンができAFモード変更のわずらわしさが解消される「親指AF」
これはプロアマ問わず全カメラマン必須のテクニックです!
- 親指付近のボタンにAF-ONをセット
- シャッター半押しAFレンズ駆動を無効
- できればAEロックをシャッターに仕込む
- コンティニュアンスAFサーボ(AF-C)で撮影