ニッコールレンズの型番の読み方を覚えてレンズのスペックを理解しよう。
ってことで、キットレンズとして最も多く普及してるであろうズームレンズ『AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR 』を元に、ニッコールレンズの型番の読み方を解説します。
型番の種類はいっぱいありますが、全部を全部覚える必要はありません。
ここで重要なのが、
- オートフォーカスは使えるの?
- どこまで望遠できるの?
- 開放絞り値は? 手振れ補正はあるの?
- このレンズは僕のカメラで使えるの?
このぐらい型番から読むことができれば十分ですよ!
「AF-P」はオートフォーカスタイプ
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
まずはレンズ型番の冒頭にある『AF-P』という文字。
これはレンズ本体にオートフォーカスを動かすモーターが搭載しており、そのモーターが『ステッピングモーター』を使っているという意味になります。
- 「AF」はオートフォーカス
- 「P」はステッピングモーター
ここでポイントなのがレンズ自体にフォーカスレンズを動かすモーターが搭載さてれいるか否かというところ。
ニッコールレンズの中にはレンズ自体にフォーカスを動かすモーターが無いものがあり、ニコンのデジタル一眼レフカメラのラインナップで入門機にあたるD3000シリーズとD5000シリーズではオートフォーカスが使えず、マニュアルフォーカスで撮影することになってしまいます。
D3000&D5000シリーズではレンズにAFモーターがないと、オートフォーカスが使えない!
たとえばレンズ型番の頭が『AI AF』となっているレンズがフォーカスを動かすモーターが無いレンズになります。
なので型番の最初が『AI AF』のレンズはカメラ本体にAFモーターを有しないD3000&D5000シリーズではオートフォーカスを使うことができません。
カメラ本体にAFモーターを有するD7000シリーズやD500、FXフォーマットのカメラでオートフォーカスが使えます。
『AF-P』または『AF-S』と記載されているレンズがD3000&D5000シリーズでオートフォーカスが使えるレンズとなります。
ちなみに『AF-S』というのはオートフォーカスモーターに超音波モーターを使ったレンズで、レンズにフォーカスモーターを有したレンズで最も普及しているレンズです。
「DX」はDXフォーマット専用
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
次に『DX』の表記がありますが、これは『DXフォーマット専用レンズ』という意味になります。
気をつけないといけないのは“DX専用”というところ。
『DX』の表記があるレンズはニコンFXフォーマットの一眼レフでは使用することができません。
自分が使用しているカメラがDXフォーマットのカメラであれば問題なく使うことができるけど、持っているカメラがFXフォーマットなのに『DX』の表記があるレンズを間違って買うとそのレンズは使えません。
たとえば、FXフォーマットのニコンD750で使おうとしてもイメージセンサーをフルに生かすことができず真ん中だけを切り取ったDXクロップで撮影することになります。
もったい無いことになってしまうので、しっかりチェックしておきましょう。
FXフォーマットにも対応しているレンズには特に型番に記載はありません。
『DX』表記ありがDXフォマーマット専用で、記載なしがFXフォーマット対応レンズということを覚えておいてください。
『DX』記載ありがDXフォーマット専用、記載なしがFXフォーマット対応。
逆にFXフォーマット対応のレンズはDXフォーマットのカメラで使用することができる。
「18-55mm」は焦点距離
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
広角18mmから55mmまで望遠できるよってことです。
18mmから55mmまで焦点距離を可変することができるので、このレンズはズームができるレンズということもわかります。
ズームレンズとは別に焦点距離が固定された単焦点レンズというレンズもあります。
ズームができないレンズなんて、なんのメリットがあるの? と思うかもしれませんが、単焦点レンズはズームレンズと比べて作りがシンプルで無理のない設計となっています。
単焦点レンズの得られるメリットは『その焦点距離に関してはズームレンズには絶対に描写で負けないこと』です。
単焦点レンズはその焦点距離の専門家みたいな感じなので、一眼レフならではのボケを生かした写真撮影ができます。
余談にはなりますが、キットレンズの次に購入をオススメするのが単焦点レンズです。
キットレンズとは違ってメリハリがつけられるので写真のバリエーションを増やすことができます。
「f/3.5-5.6G」は絞りのスペック
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
開放絞り値が広角F3.5から望遠F5.6
- 広角端での開放絞り値がF3.5
- 望遠端の開放絞り値はF5.6
ざっというとこういう意味になります。
「f/3.5-5.6G」の左側の数字「3.5」が広角側焦点距離18mmの時の開放絞り値で、右側の「5.6」が望遠側焦点距離55mmの時の開放絞り値。
ズームレンズというのは、その複雑な構造から焦点距離によって開放絞り値が変化してしまいます。なので、カメラ側で絞りをF3.5と設定していても焦点距離を55mmにすると勝手にF5.6まで絞られてしまいます。
中には広角から望遠まですべての焦点距離で絞りをF2.8まで開けられる『F2.8通しレンズ』というズームレンズがもあり、わかるとは思いますが超高額なレンズになります。
まあ興味がある方は一回覗いてみてください・・・。
「G」は絞り機構のタイプ
末尾についているアルファベット「G」というのは機械式で絞りを動かすレンズです。その他に絞り制御を電子的に行うEタイプもあります。
- Gタイプ:機械式
- Eタイプ:電子式
- Dタイプ:D信号タイプ
Dタイプに関しては説明が難しくなるのでここでは少し割愛しますが、Dタイプレンズは見た目も違い、レンズ本体に絞りリングがあります。
もちろんカメラ側で絞り値を設定することはできますが、Dタイプレンズはレンズ側でも絞り値を決めることができます。
ちなみに、それぞれの絞り機構のタイプでレンズの性能に大きく差はありません。強いて言うならDタイプのレンズは販売から期間が経っている古いレンズ。見た目もレトロなレンズです。
Eタイプレンズは使用できない一眼レフやファームアップが必要なカメラがありますのでニコン公式ウェブサイトで必ず確認をしてください。
外部サイト▶︎カメラとニッコールレンズの組み合わせについて | レンズ | ニコンイメージング
VRは手振れ補正
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
「VR=Vibration Reduction」手ぶれ補正機構をレンズに搭載さてれいる意味です。
ニコンやキヤノンの一眼レフでは基本的に手振れ補正をレンズ側に搭載します。ミラーレスの場合はカメラ側に手振れ補正をつけることが多いんですけどね。
理由は一眼レフはレンズから取り込んだ画をミラーを介して光学ファインダーで見ながら撮影をするので、レンズに手振れ補正がないとファインダーの画が安定しないんですよね。
ということはレンズによってはVRが無いレンズもあるので、手振れ補正が効かないレンズもあるということになります。
まとめ
ざっとニッコールレンズの型番の説明をしました。
今回はキットレンズの型番の読み方でしたが、本当はこのほかにもまだまだあります。
- 『ED』収差を抑えたレンズ
- 『N』ナノクリスタルコーティング
- 『PF』フレネルレンズ
などなど・・・