ニコンDXフォーマットカメラのラインナップ最上位に君臨するデジタル一眼レフカメラD500。そしてその下に位置するニコンD7500。
カメラ選びで『ニコンD7500が気になるけど予算をもう少し増やせば最上位カメラD500に届くかも・・・。でもそこまでお金を出してD500にするメリットはあるの?』
そんなカメラ選びの悩みに今回は両カメラのスペックを比較してみて見えたきた、それぞれのカメラの特徴をご紹介します。
結論から申し上げますとD7500が唯一勝るポイントはコストパフォーマンスです。
たとえばカメラ購入予算を30万円に設定した場合・・・。
D500だとカメラレンズキット購入だけで予算が終わってしまいますが
- ニコン D7500 18-140VR レンズキット (17万円)
- 単焦点レンズ AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G (3万円)
- Nikon フラッシュ スピードライト SB-700 (4万円)
- Manfrotto 三脚 Befreeアドバンス(3万円)
※価格は大手家電量販店の店頭価格を参考していおります。
D7500ではカメラレンズキットに単焦点レンズと三脚、おまけに外付けのスピードライトをつけても予算30万円ではお釣りが出ます。
という感じで、無理にD500にせずD7500にすると余った予算でレンズを揃えることができるんですよね。
「所有感のD500」を選ぶか「コスパのD7500」
では両カメラのスペックを比較してみましょう。
D500とD7500のスペック比較
Nikon デジタル一眼レフカメラ D500レンズキット AF-S DX NIKKOR 16-80/2.8-4E ED VR D500LK16-80 クリーニング クロス付き
Nikon デジタル一眼レフカメラ D500レンズキット AF-S DX NIKKOR 16-80/2.8-4E ED VR D500LK16-80 クリーニング クロス付き
ニコンD500 | ニコン7500 | |
発売日 | 2016年4月28日 | 2017年6月9日 |
ボディ単体実勢価格 | 税込21万円前後 | 税込13万円前後 |
イメージセンサー | DX フォーマット | DX フォーマット |
有効画素数 | 2088万画素 | 2088万画素 |
常用最高ISO感度 | ISO51200 | ISO51200 |
AF測距点数 | 153点 | 51点 |
連続撮影速度 | 約10コマ/秒 | 約8コマ/秒 |
可動液晶タイプ | チルト液晶 | チルト液晶 |
タッチパネル有無 | タッチパネル有り | タッチパネル有り |
カードスロット | XQD×1 SD×1 | SD×1 |
SnapBridge対応 | 対応 | 対応 |
外寸 | 約147×115×81mm | 約135.5×104×72.5mm |
重量 | 約860g | 約720g |
ざっとニコンD500とニコンD7500、それぞれの一眼レフカメラを比較してみて大きく性能差があるところはオートフォーカスの測距点の数と連射速度、そしてカードスロットの仕様の違いです。
イメージセンサーと画像処理エンジンは同じモノ。撮れる写真は同じ
まず最初にD500とD7500で撮れる写真に差が出るのかというポイントですが。
そもそもニコンD7500が世に出てきた当時の触れ込みが「D500と同等のイメージセンサーと画像処理エンジンを採用」なので、D500とD7500が撮れる写真のクオリティはほぼ同等と言っても間違いありません。
両カメラともイメージセンサーには有効画素数2,088万画素DXフォーマット(APS-C)のセンサーを採用し、画像処理エンジンにはフラッグシップ機ニコンD5と同じEXPEED5(エクスピード5)が積まれております。
イメージセンサー&画像処理エンジンの性能で左右するのは諧調などのダイナミックレンジですが中でも大きく影響するのが『高感度撮影時のノイズ耐性』です。
イメージセンサーのサイズが大きければ大きいほど受け止められる光の量が多くなりますので、光量の少ない薄暗い室内でもノイズが乗りづらい写真が撮ることができます。
画像処理エンジンも比較的新しいEXPEED5(エクスピード5)なのでノイズの処理性能も高くなっています。
「高画素だからと言ってキレイな写真が撮れるとは限らない! カメラに適した画素数とは」でも書きましたが、画素数も多くなってくると画素ひとつひとつの面積が小さくなるので光の取り込む量が限られるので、高感度耐性に弱くなる傾向があります。
高画素のイメージセンサーは抜群の解像度を誇りますが諸刃の剣で、光量が少ないシーンでは高感度ノイズの気を使わなけれなりません。
その点、ニコンD500とニコンD7500は「2,088万画素」とそこまで欲張っていない画素数なのでDXフォーマットながらフルサイズセンサーに肉薄するほど高感度に強いカメラとなっています。
イメージセンサーと画像処理エンジンは同じものが使われているので、出来上がる写真のクオリティに大きな差は無いと言える。
D500にあってD7500に無いモノとは
Nikon デジタル一眼レフカメラ D500レンズキット AF-S DX NIKKOR 16-80/2.8-4E ED VR D500LK16-80 クリーニング クロス付き
ニコンD500は特にスポーツ等の動体撮影に強いカメラなのでオートフォーカスと連射速度が非常に高性能。
高速連射を可能にする大容量バッファーメモリー、そして高速書き込みができるメディア「XQDメモリーカード」に対応している点。加えてSDカードも使えるので合わせてメモリーカードが2スロット搭載なので大切なデータをバックアップすることもできる。
カメラボディーには過酷な環境下でも耐えれるようマグネシウム合金が使われている。
全体的に見ても“プロ仕様”といった感じです。
- ニコンD5譲りの最強オートフォーカスシステム
- 秒間10コマを誇る高速連射
- XQDメモリーカード対応
- メモリーカード2スロット仕様
- ボディーの一部にマグネシウム合金を使用
- オプションにバッテリーグリップあり
ニコンD500はD5譲りの最強オートフォーカスシステムを採用
最上位カメラニコンD5と同じ測距点153点のニコン史上最強オートフォーカスモジュールを積んでいるのがD500のすごいところ。ファインダー全体に測距点が広がっているので画面周辺の被写体も逃しません。
ニコンD7500のオートフォーカスモジュールも実はそこまで悪くありません。
D500には負けてはいますがそれでも測距点の数は51点もあります。これはニコンD5の先代ニコンD4と同じなんですよね。現行のカメラだとニコンD750と同じオートフォーカスセンサーでもあります。
というわけで別にD7500のオートフォーカスセンサーは性能が低いというわけでもなく、どっちかというと高性能なセンサーなんですよね。D500の153点のセンサーが飛び抜けているだけなんです。
ニコンD500は秒間10コマを誇る高速連射
D500の秒間10コマに対してD7500は秒間8コマ。
その差はたった2コマですがされど2コマです。
野球でスイングしたバットがボールに当たる瞬間をとらえるならニコンD500の連射速度の方がその瞬間をとらえられる確率が高いということ。
とは言いますが、スポーツ撮影で飯を食っているならまだしもD7500の秒間8コマでも十分な速度です。
僕が使っているニコンD750はそこまで速く無い「秒間6.5コマ」ですが連射に困ったことはありません。
ニコン一眼レフカメラ連射速度比較
- ニコンD5(最高約14コマ/秒 ミラーアップ撮影)
- ニコンD850(最高約9コマ/秒 バッテリーグリップ有り)
- ニコンD750(最高約6.5コマ/秒)
- ニコンD610(最高約6コマ/秒)
- ニコンD500(最高約10コマ/秒)
- ニコンD7500(最高約8コマ/秒)
- ニコンD5600(最高約5コマ/秒)
- ニコンD3500(最高約5コマ/秒)
連射速度が速いに越したことはありませんが、その瞬間のシャッターチャンスに生活がかかっているプロカメラマンならD500の連射性能が必要かもしれません。ですがD7500の連射性能でも十分速い部類のカメラでもあります。
ニコンD7500の秒間8コマでも十分連射速度が速いカメラといえる。
D500はXQDカード対応でダブルスロット、D7500はSDカードのみでシングルスロット
SDカードよりも書き込み速度が高速なXQDメモリーカードにニコンD500は対応。XQDカード&SDカードのダブルスロット搭載でデータのバックアップができることも信頼性が高いポイント。
対してD7500は残念ながらSDカードのみのシングルスロットにおさまってしまっており、先代のD7200はダブルスロットだっただけに後退した感が否めない気がします。
D500はXQDカード&SDカードのダブルスロット搭載、D7500はSDカードのみのシングルスロット
そのほかニコンD500は耐環環境性能と拡張性に優れている
D500もD7500も同じくカメラボディにシーリングが施された防塵防滴仕様ではあるものの、D500にはカメラボディの上面と背面に堅剛で剛性に優れた「マグネシウム合金」が使用されている。
D7500のボディには金属よりも軽量な「炭素繊維強化プラスチック」いわゆるカーボンがで覆っているのでカメラ重量が軽くなっている。(D500にも炭素繊維強化プラスチックが使われています)
シャッターテストの耐久度もD500は20万回クリアに対してD7500は15万回。オプションでD500にはバッテリーグリップ「MB-D17」が準備されているがD7500にはありません。
D7500がD500に勝てる唯一ポイントはコストパフォーマンス
スペックではD500に後塵を拝しているD7500ではありますがそれでもポテンシャルは十分に高い一眼レフカメラであることは確かです。
では、D500には無いD7500の魅力とな何か。
それは価格の安さ。コストパフォーマンスです。
家電量販店でのそれぞれのカメラの販売価格をレンズキットで比較してみるとでニコンD500は実勢価格30万円前後に対してD7500は17万円前後で販売されていおります。
セットになっていレンズの種類は違いますが両カメラの価格の差額はなんと約13万円。
D500とD7500の性能差に差額分13万円の価値を見出せるのか?
それとも差額の13万円を使って単焦点レンズや三脚、外付けスピードライトにあてるといった手もありです。
カメラ周りのアクセサリーに予算を回せるのがコストパフォーマンスの高いニコンD7500の良いところなんです。
上記3点、標準域35mm単焦点レンズとスピードライト、そして三脚を足しても差額でお釣りがくるぐらいです。お釣りでカメラバッグやクリーニンググッズも買えちゃいます。
無理にニコンD500を買うぐらいなら、予算に余裕を持たせるためニコンD7500レンズキットに余った資金で単焦点レンズやスピードライトを購入すると、写真のバリエーションが増えて撮影がもっと楽しくなります。
一眼レフカメラってレンズを交換してナンボですから。レンズがいっぱいあった方が楽しいに決まってます。
カメラスペックばかり見るのではなくカメラ以外の予算を考えてみればニコンD7500も決して悪く無い選択でもあります。
ニコンD500とニコンD7500比較まとめ
とういうことでニコンD500とニコンD7500の比較記事でした。
比較してみて「兄・D500」「弟・D7500」と兄弟関係といった感じで、兄貴D500からのお下がり「イメージセンサーと画像処理エンジン」をそのままに弟D7500に引き継がれているので、写真のクオリティはほぼ同等。
それ以外のオートフォーカスセンサーモジュールやシャッター回り、ボディーワークの作りに差をつけたといった両カメラです。
- 普段からスポーツ撮影をしている人
- オプションや拡張性を必要としている人
- カメラを酷使する仕事で使用するい人
- 所有感を得たい人
- ある程度の連射速度を必要とする人
- 予算を抑えたい人(余った予算でレンズにあてる)
- カメラを軽くしたい人
仕事で使うなら信頼性の高いニコンD500を使うのは大前提、ですがそこまでヘビーに写真を撮る人ではないアマチュアカメラマンやカメラを始めたばかりの人、下位機種のD5000シリーズからステップアップならD7500はオススメしやすいカメラです。
以上、ニコンD500とニコンD7500の比較記事でした。